第13回旅行は、異なる宗教が共存するエローラ石窟群
 アジャンタ(Ajanta)石窟群を見た翌日、エローラ(Ellora)石窟群を見に行った。
 アジャンタとさして変わらぬのであろうと思っていたが、さにあらず。
 個人的には、エローラのほうが気に入ったのであった。

仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の合作

 アウランガバード(Aurangabad)から北西に約25km、巨大な駐車場の向う側にエローラ石窟群が見えてくる。
 ここは、アジャンタの地形とは違い、平地と丘陵との境目に石窟を彫っているので、とても見学路が広い。
 チケット売場があるところが、丁度南北に続く石窟群の真ん中にあたり、巨大なカイラーサナータ(Kailasanatha)寺院を目の当たりにすることが出来る。
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 エローラには、全部で34の石窟があるのだが、まず驚くのが3つの宗教の寺院で構成されている点だ。第1窟~第12窟は仏教、第13~第29窟はヒンドゥー教、第30~第34窟がジャイナ教の寺院になっており、よくまぁ仲良く建てたものだと感心してしまう。
 仏教寺院は紀元後600~800年に、ヒンドゥー教寺院は紀元後600~900年に、ジャイナ教寺院は紀元後800~1000年に建てられたとされており、カラチュリ朝、チャールキヤ朝、ラーシュトラクータ朝とエローラ地域を統べる王朝が各宗教寺院の建設を推し進めた。特に、ラーシュトラクータ朝は、一時的にここエローラに都を構えており、エローラの地名も当時の名エーラプラが訛ったものだ。同王朝のクリシュナ1世のときに寺院建設は最盛期を迎え、前述の巨大寺院カーラーサナータが彫られた。


鬱陶しい土産物屋を一蹴!

 駐車場にマイクロバスが着くと、みるみるうちに人だかりが・・・
e0074199_0265720.jpg 周囲を土産物屋に包囲されてしまった。
 が、我々を引率する先生が、

   「この人たちは、私の大事な
    御客さんたちなのよぉおお!
    インド人の恥を晒さないで
    ちょおおおだいいいい!!!」

と絶叫したので、みんな逃げるようにどこかに行ってしまった・・・。


第16窟 カイラーサナータ寺院

e0074199_0401960.jpge0074199_039377.jpg 石窟群中、最大の寺院。紀元後8世紀頃に彫られたヒンドゥー寺院だが、あたかも地上に建設したように見える。幅45m、奥行85m、高さ30mのこの寺院は、巨大な岩石を掘って出来たものだ。なんでも、シヴァ神の住む山カイラーサを再現するために、この手法を採ったとのことで、人力で彫ったとは思えない膨大な作業の賜物だ。彫った岩の量は20万tにもなると推測されている。

e0074199_052828.jpge0074199_0514555.jpg 入口入って正面に大きな像、次いで左に進むと、柱の奥に3人の女神像の彫刻が見える。ガンジス、ヤムナー、サラスヴァティの3つの聖なる川を擬人化したものらしい。

 地面には、水路が。文明レベルの高さを物語る。e0074199_131521.jpg







 中央の建物部分に進めべく、周囲の回廊を回っていくと、外側の壁面に聖典「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」に登場するシーンを再現した彫刻が続く。e0074199_0555423.jpg







e0074199_10519.jpge0074199_0582098.jpg 中央部の建物上部はこのような造り。壁面には、シヴァ神の頭から水が垂れてガンジス川が出来たと言う寓話が彫られている。

 本堂のような場所には、例によってリンガ(男根)が。e0074199_1153.jpg







 後付けで作られたと言う離れのような場所には、女神中心の礼拝所のようなものが。e0074199_155791.jpg
 







第10窟 ヴィシュワカルマ

 Viswakarmaは、建築の守護神の意味。e0074199_128034.jpge0074199_1273845.jpg
 仏教寺院の塔院(チャイティヤ)タイプで、天井にはアーチ上の骨組みを見ることが出来る。
 最奥部には、ブッダの坐像を彫った仏塔(ストゥーパ)があり、この脇から御経を唱えると建物内部全体に反響する構造になっている。



第32窟

e0074199_1353413.jpge0074199_135178.jpg 2階建てのジャイナ教寺院で、外部の彫刻は綺麗に残っており、また内部の彫刻・壁画も保存状態が良い。彫刻は大変細微。内部人物彫刻は、ジャイナ教らしく皆裸像だ(ジャイナ教では何も身にまとわないことが戒律としてある)。


第29窟

e0074199_1363062.jpge0074199_136635.jpg シヴァ神の彫刻が最もダイナミックかつ自由奔放とされるヒンドゥー寺院。
 片方の壁に悪魔退治をする鬼の形相のシヴァ神がいるかと思えば、反対側には奥さんのパールヴァティ(彼女もまた神だが)と乳繰り合っている壁画もある・・・(本当は、地震に怯えるパールヴァティを諭しているらしいのだが)。



世界遺産は、現地の人の憩いの場所

e0074199_14433.jpge0074199_1444218.jpg 周囲が平原で緑も多く、エローラは現地の人にとっては憩いの場になっているようだった。
 我々が持参した弁当を食べた場所も、ちょっとした木陰で、周りには現地の人と思われる家族が数組いた。
 ごく自然に周りの環境とマッチしていて、かと言ってゴミでちらかっている訳でも無く、とても居て気持ちの良い場所だった。


オススメ度(100%個人主観)

    ★★★★☆
by bharat | 2005-09-30 21:57 | インドぶらり旅