第37回旅行は、仏教徒巡礼の地ラージギル
ナーランダーから、車で小一時間、仏跡の1つラージギル(Rajgir)に到着する。
仏教ゆかりの地 ラージギルは、ブッダが12年間過ごした場所。 今でも、仏跡が数多く残る。 霊鷲山(りょうじゅせん) 山の入口には立派な門が配されており、付近の新しい石碑には「藤井日達導師の道」の記載がある。藤井日達上人(1885~1985)は、日蓮宗系の日本山妙法寺大僧伽(だいさんが)の創始者。かなりストイックな宗派で、修行者は妻帯禁止、檀家も持たず、平和・非暴力を訴えて行脚し、世界各地で仏舎利塔の建立などを行う。彼は、1933年にマハトマ・ガンディーにも会っており、このときガンディーの唱える非暴力に深く感銘を受けたという。 頂上まで徒歩で登ると、祭壇がある。 供物や献花でいっぱいだ。 付近には、日本の御坊さんの集団が御参りに来ていた。 妙法寺の御坊さんたちなのだろうか・・・? 山頂で日の出を待つ・・・そして、6時半ごろ・・・ 紀元前6世紀、ブッダも同じ太陽を見ていたのかと思うと、趣き深いものがある。 明るくなってから周りを見ると、霊鷲山の名前の由来となった鷲の形をした岩を確認することが出来る。 山の中腹には、瞑想する石窟も見られる。 日本妙法寺 ラージギル道場 霊鷲山からは若干離れるが、日本妙法寺の立派な道場がある。 現在のインド仏教のリーダーである佐々井秀嶺上人(彼についてはナグプール旅行記で少し書いたので御参照)も、この道場の建設を手伝うため、1年間ここに滞在した。 ジャイナ教ゆかりの地 開祖(第24祖師)マハーヴィーラがこの地で修行を積んだということで、ここラージギルはジャイナ教徒たちにとっても聖地である。 ソン・バンダール(Son Bhandar)石窟寺院 霊鷲山のふもと付近に突如現れるこの寺院。 3~4世紀に掘られたジャイナ教石窟で、向かって右上に見えるレンガ製の上層階部分はグプタ王朝中~末期(5~7世紀?)に増築された。 彫刻などは随分と痛んでいるが、壁面の彫刻の保存状態は割りと良い。 ジャイナ教博物館 ジャイナ教徒の「東武ワールドスクウェア」。 館内には、ジャイナ教徒の生活を表現したミニチュアがギッシリ展示されている。 教徒の質素な身なりと、絢爛豪華な寺院の造りが特徴的。 実に丁寧にメンテナンス・掃除されていた。 格好から察するに、彼らはジャイナ教徒ではあるまい。 庭には、他の宗教では見られない格好の胸像。 公園には遊具がたくさん置いてあったが、これは・・・滑り台ならぬ「滑らない台」? ヒンドゥー教ゆかりの地? ヒンドゥー教の2大叙事詩の1つ『マハーバーラタ』には、ここラージギルが ヒンドゥー教徒の王ビンビサーラが収めた王国の都であったと記録されたおり、ここが記録に残るインド最古の王都だったということになっている。 手塚治虫の著『ブッダ』にも、このラージギルについては細かに描かれている(第10~12巻)。 マガタ王国のビンビサーラ王はブッダを手厚く保護し、政策についても彼に相談していたようだ。あるとき、ビンビサーラ王が予言者から「あなたは41歳のときに息子のアジャタシャトル(アジャセ)に殺されるでしょう」という予言を受ける。このことに悩んだビンビサーラ王はブッダに相談するが、これを見たアジャセ王子はブッダを殺そうと企てる。幸いブッダは一命は取り留めたが、ビンビサーラは激怒しアジャセを幽閉する。その後、アジャセは牢獄を脱出、逆にビンビサーラ王を幽閉、その後しに追いやり、王座に就いた。 アジャセはその後、父への仕打ちを痛く後悔し、ブッダを師と仰ぎ、仏教に帰依するようになった。 霊鷲山ふもとには、今でもその牢獄跡が残っている。 ラクシュミー・ナラヤン(Lakshmi Narayan)寺院 この地も、他のインドの宗教別人口比率はさして変わらないのか、仏教やジャイナ教の史跡よりも、ヒンドゥー教の史跡の方が断然賑わっている。 この寺院では、溜池に群がる教徒たちでゴッタ返していた。 敬虔な僧侶も多いのだろうが、観光客を取合う僧侶たちが目立って少々ガッカリした。一方的に経文を唱えて、布施金をぼったくろうと言うのだ。 オススメ度(100%個人主観) ★★★★☆ ・・・ 霊鷲山での御来光は神秘的 観光所要時間 2~3時間
by bharat
| 2006-02-18 10:30
| インドぶらり旅
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2年間のインド生活で、どこまでインド人に近づけるか!?
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