第68回旅行は、見事な石窟寺院が残るバーダーミ
e0074199_354934.jpg バンガロールの北500km、かつての王都バーダーミ(Badami)がある。


チャールキヤ朝の都
e0074199_424257.jpg あまり、知られていないバーダーミだが、元々は王国の都が置かれていた由緒ある場所。
 6~7世紀、デカン高原一帯を治めたチャルキヤ王朝の都がここバーダーミ。
 地形は特徴的で、市街地の脇にアガスティヤティルター(Agastyatirtha)人造湖、その周囲三方を切り立った崖が囲んでいる。


どうやって行くか??
e0074199_426310.jpg 見どころの多い町バーダーミだが、どうやって行くかが悩みどころ。
 人口2~3万人の町に当然空港は無い。
 町の中心地から数km離れたところに鉄道の駅があるが、特急停車駅では無い。
 残るアクセス手段はバス。
 マイソールバンガロールとの間で、定期的に高速バスが通っている。夫々12時間くらいかかる。・・・そしてバスはオンボロである。
 因みに、僕はハンピからタクシーで入り(約5時間、2,000ルピー(約5,200円))、帰りは高速オンボロバスでバンガロールに帰った(約12時間、357ルピー(約930円))。帰りは安上がりだったが、結構タフ。

 この町の見どころは、大きく分けて3つ。
 「石窟寺院」、「水辺の寺院」、「崖の上の砦・寺院」だ。

石窟寺院

 町の南側の崖の側面を掘って造られた石窟寺院。
 6世紀頃に出来たとされ、南インドの石窟寺院としては最古のもの。
 このスタイルが、その後世界遺産のアジャンタエローラに伝播したと言われている。
 ここにあるのは、全部で4つ。

第1窟
e0074199_6252218.jpg 向かって一番右側のこの石窟は、シヴァ神を祀っている。
e0074199_23582389.jpge0074199_23584128.jpg入口の脇の彫刻は、躍動感のあるナタラジ像(シヴァ神踊りバージョン)、内部にはシヴァ神の長男坊スカンダ(孔雀に乗っているのが特徴)。
e0074199_00371.jpg中には、とぐろを巻いたヘビの彫刻も登場するが、これのナーガ神というれっきとした神様。
e0074199_04632.jpgそして、本堂にはシヴァのリンガ(男根)。


第2窟
e0074199_045786.jpg 第2窟は、ヴィシュヌ神を祀っている。
 勿論、ヴィシュヌ神の彫刻がそこかしこにあるのだが、彼の化身もいくつか登場する。
e0074199_2293574.jpg ヴィシュヌの第3化身のマツヤ(魚)。
 その昔、賢者マヌが川で釣りをしていたところ、その手に自分から乗っかってきた魚が、命乞いをするので、生かしておいてやったところ、みるみるデカくなり、家で飼えないので海に放流した。
 すると、魚はヴィシュヌが姿を変えた仮の姿で、こう忠告した・・・「7日後に大洪水が来るから、あらゆる生き物のつがいと7人の聖仙を大船に乗せろ」と。
 で、案の定、洪水で世界が水没したけど、マヌ一味は助かった。
 ・・・ビックリするほど、ノアの箱舟の話に似てるな・・・なんか関係あるのだろうか・・・?
e0074199_312447.jpg これは、第5化身ヴァラハ(イノシシ)。
 賢者マヌが、水沈した世界を救うべくヴィシュヌに祈ると、彼の鼻の穴からウリ坊が飛び出してきた。巨大化したウリ坊(イノシシ)が、水に飛び込み、牙で沈んだ大地を持ち上げ、世界を救った。

第3窟
e0074199_3504628.jpg ここも、ヴィシュヌ神を祀っている。
e0074199_4275152.jpge0074199_4285145.jpg まず飛び込んでくるのが、この特徴的な彫刻。
 通常、ヴィシュヌはヘビの上に寝そべっているのだが、この彫刻は片ヒザを付いて座っている。
 これは、この格好が、当時の王様の立居振舞いだったらしく、彫刻もその格好にさせたのだそうだ。
e0074199_4473568.jpg この石窟にも、ヴィシュヌ神の化身がいる。
 これは、第6化身のヌルシンハ。関連エピソードはコチラ

第4窟
e0074199_5391369.jpg 他の3つの石窟と同じ外観だが、この寺院だけジャイナ教。
 11~12世紀に作られた。
e0074199_5473594.jpg 中には、衣類を纏わないジャイナ教祖師ティールタンカラの像が。

作成途上の石窟
e0074199_16381085.jpg 第2窟と第3窟の間には、作成途上の石窟がある。
 これは・・・仏像!?
 なんと、仏教信仰も行われていた。



人造湖周辺のヒンドゥー寺院
 アガスティヤティルター(Agastyatirtha)人造湖の周辺にも、見応えのあるヒンドゥー寺院がいくつかある。

ヤッランマ(Yallamma)寺院
e0074199_65449.jpg 湖の西側に位置する寺院。
 11世紀頃の建立。

ブータナータ(Buthanatha)寺院
e0074199_6135044.jpg 同じ名前の寺院が、湖の北側と東側に2つ存在する。
 これは、北側のもの。
e0074199_616238.jpg で、これが東側のもの。
 こっちの方がズッと凝った立地と作り。
e0074199_6321896.jpg この寺院、本堂部分とその先の部分とで、建てられた時代が違うらしい。
 その証拠に、こんな不自然な柱の連続が。
e0074199_6382550.jpg また、この寺院の裏の岩壁には、彫刻の下書きが残っている。
 見っとも無いというか、人間らしいというか・・・他の遺跡でこんなの見たこと無い。
e0074199_6403615.jpg 更に奥には、小~さな祠が。
 中には、結構立派なヴィシュヌ神の彫刻が彫ってある。
e0074199_6405670.jpg


未成年禁止(?)の博物館
e0074199_6525453.jpge0074199_6532296.jpg アガスティヤティルター(Agastyatirtha)人造湖の北側にある博物館。
 何の変哲の無い彫刻などに交じって、スゴいものが陳列されていた。
 なんと、女性の局部のドアップの彫刻。館内写真禁止なので、画像は書物から取ってきたものだが、正にこんな感じだった。
 万物創生を意味する女性器を信仰対象としていたので、こんな彫刻が当時作られたのだと言う。
 ・・・因みに、未成年も入館可。


北要塞地区
 バーダーミは、崖全体が要塞になっており、チャールキヤ朝のあとも、代々この要塞に手を加えて、防御拠点とした。
e0074199_16345121.jpg 前述の石窟の上部にも城壁が残る他、
e0074199_16354236.jpg北側には頑丈な城門や城壁、砲台、寺院などが残っている。

ハヌマーン寺院
e0074199_1643112.jpg 人造湖の東の端から道なき道(石段)を上っていくと、粗末なハヌマーン寺院が。
 ハヌマーン(猿神)だけあって、サルの巣窟と化しており、長居は危険。
上のシヴァラヤ(Upper Shivalaya)寺院
e0074199_16482432.jpg 丘を上りきると、同じ名前の寺院が2つ。
 これは、上にある方。
 柱は無地だが、土台・壁には立派な彫刻が。
 7世紀頃の建立。
下のシヴァラヤ(Lower Shivalaya)寺院
e0074199_16543990.jpg これは、丘を少しだけ下ったところにある。
 小さな作りで、元々は文字通りシヴァ神を祀っていたが、途中からガネーシュ神を祀るようになった。
 ・・・まぁ、親子だからいいのかな?
砲台
e0074199_165833.jpg 恐らく、中世になってから、建てられたもの。
 南インドの群雄割拠を乗切るべく、敵からの防御に最適なこの丘の上に設置したのだろう。




オススメ度(100%個人主観)

   ★★★★☆ ・・・ 寺院あり、要塞あり、面白い博物館あり。

観光所要時間

   3~4時間
by bharat | 2006-06-12 10:30 | インドぶらり旅