第71回旅行は、蒼い海・にび色の港 バイザック
アーンドラ・プラデシュ(Andhara Pradesh)州の海岸線沿い、オリッサ(Orissa)州境に程近いところにある、港湾都市バイザック(Vizag)。
正式名称は、ヴィサカパトナム(Visakhapatnam)と舌を噛みそうだが、バイザックの方が地元でも通っているので、タイトルは通称で記した。 一大工業都市 ベンガル湾沿いにビーチが続くバイザックだが、実はインド有数の工業都市である。 ムンバイに続くインド第2の貨物取扱いを誇る港湾、インド最大の造船所があり、その他重工業も盛ん。 軍港としても有名。 ヒンドゥーゆかりの地として(ヒンドゥー寺院) インド名ヴィサカパトナムの、ヴィサカはヒンドゥー神の1人。 ここは、マウリヤ朝やヴィジャヤナガル朝(都はハンピに置かれた)などの大国の支配下にあった。 その影響か、この都市には、ヒンドゥー寺院・建築が数多く残っている。 シヴァ・カーリー御夫妻寺院 海辺にある寺院。 左がカーリー女神、右がシヴァ神を祀っている。 この2人、夫婦なのだが、カーリーは、パールバティがキレたときのバージョン。 シヴァ神は破壊(と再生)の神として結構暴力的なのだが、カーリー女神はそのシヴァを踏んづけて、魔神の大量殺戮を繰り広げているのである。 特に、彼女はコルカタとその周辺地域で圧倒的な支持を受け、独自の信仰文化を形成している。 カイラーサギリ(Kailasagiri) バイザック北の小高い丘にある公園。 場所名は、文字通りカイラーサの丘・・・カイラーサはシヴァ神の住処。 シヴァとその妻パールヴァティの大きな石像が見どころ。 この丘には車で行けるほか、リフトでも行ける。 公園には、石像の他に灯台みたいな建物も。 ラーマクリシュナ寺院(Ramakrishna Mission) 海辺のシヴァ・カーリー寺院のところから、少し丘を登るとある、新しい寺院。 中に入ると、朝の御参りの最中だった。 ウトゥカル・サンスクルティカ・サマジ(Utkal Sanskrutika Samaj)寺院 別名ジャガンナート寺院。 オリッサ州プリーにある世界遺産指定のジャガンナート寺院を真似て作られたから、こう呼ばれる。 3つの建物が連なる構造が特徴的。 因みに、プリーの建物の方がずっと大きい。 寺の細部はオリジナルとは異なっている。 とてもかわいい仕上がり。 シマーチャラム(Simhachalam) バイザック市街から約16km離れたところにある大きな寺院。 標高数百メートルの山を車で一気に登ると、参拝者でごった返す集落が。 中に入るには、数時間かかりそうだったので、パス。外観のみ確認・・・南インド恒例のゴープラム(塔門)様式で、門の中央には、大きくヴィシュヌ派を示すV字のマークが。 寺院の向かい側の一角には、祭りのときに使用する神輿が格納されていた・・・祭りっていつやるんだろうか? ディワリ(インド正月、今年は10月21日)のときかなぁ? 参拝者に交じって、乞食やらモノ売りやらも沢山いたのだが、こんなヒトも。 全身銀色に塗って、写真を撮らせて御布施を貰うのが生業らしい。 ガンディーに見えるのは気のせい?? シマーチャラム周辺も楽しい シマーチャラム寺院の丘から見下ろすと・・・何あれ? 近寄ると、こんなファンキーな門の家が。 なんと、個人宅らしい。 また、丘のふもとには、立派なハヌマーン像が。 ポラマンバ(Polamamba)寺院 比較的新しい寺院。 寺院の名前にもなっているポラマンバは、地場の女神。 仏教遺跡 バイザック市街を離れると、仏教遺跡が点在している。 今回はそのうちの1箇所を観た。 トトゥラコンダ(Thotla Konda) バイザックの北16kmに位置する。 丘のふもとの入口の門で、通行料(10ルピー≒26円だったかな?)を払って、丘を登っていく。 遺跡は柵で囲まれているのだが、入口がとても分りにくい。 入ると、全景はこんな感じ。 紀元前2世紀~紀元後2世紀にかけて建てられた。 地名トトゥラコンダは、現地語で「溜池の丘」を意味する。 標高130mの丘に建てられた寺院群で修行する仏教僧の生活のために、作られた石製の貯水タンクから地名がついたというわけだ。 このあたりは小乗仏教が信仰されていたため、礼拝堂あるいは説法所とされる建物跡にも仏像は無い。 周辺には、僧たちの宿坊があり、そこら中に転がっている石には大昔の文字が彫られている・・・経文とかかな? 遺跡の外には、明らかに後付けと思われる仏像が安置されている・・・こんなもの無い方がいいんじゃ?とてもウソくさい。 その他 海辺の道沿いには、築100年余りと言う、クルパム廟(Kurupam Tomb)。 時の王様が亡くなった王妃のために建てたもの。 これまた、海沿いにある建物・・・というか物体。 現役を退いた潜水艦がズ~ンと置いてある。 ちっちゃい博物館になっている。 オススメ度(100%個人主観) ★★★☆☆ ・・・ どの本にも詳しく紹介されていないが、なかなかですよ(※)。 (※)後日、ここがナクサライト(こちら参照)の活動拠点であることを知った。大量のロケット弾が押収されると言うキナ臭い事件が9月中旬に発生。皆さん、充分注意して観光しましょう。 観光所要時間 5~6時間
by bharat
| 2006-09-10 10:30
| インドぶらり旅
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2年間のインド生活で、どこまでインド人に近づけるか!?
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