第79回旅行は、歴史ある新興都市プネー
e0074199_733577.jpg ムンバイから南東に約150km、高速道路を使って丘陵を越えると、一際大きな高原都市が出現する。
 プネー(Pune)だ。


昔の激戦地は、今や一大産学都市
 ここプネーは、日本で言うところのつくば市のような都市だ。
 標高500mの丘陵特有の涼しい気候、インド最大の産業都市ムンバイから距離が近いことなどの要素があったので、大学や産業が数多く位置しており、都市全体が産学一体となって発展している。
 人口は約400万人で、インド全土のトップ10に入る多さ。

e0074199_7543151.jpg そんなこの都市には、今でも至るところに城壁が残っている。
 プネーは、17世紀に興ったマラーター王国の拠点だった。ムガル帝国が第5代シャー・ジャハーンの治世期にその影響力を弱めるや、南インドの諸勢力は抵抗を開始、その筆頭勢力がシヴァージー率いるマラーター族だった。彼は1599年にプネーの太守を努め、その後同地を本拠として勢力を拡大、1674年にはライガール(Raigarh)で正式に王を名乗った。
 その後、1680年にシヴァージーが没すると、第6代皇帝アウグランゼーブ率いるムガル帝国は南征を開始、この一帯はマラーターvsムガルの一大戦地となった。
 劣勢だったマラーター国は、この頃その実質支配者を王からバラモン階級宰相(ペーシュワー)に代え(この頃からマラーター同盟と名を変える)、ムガルのアウグランゼーブ帝の没後、勢力を盛り返しに掛かる。
e0074199_6354853.jpg 他方、アウグランゼーブ亡き後のムガル帝国は、諸侯の離反、ペルシャ・アフガン勢力に侵攻され、デリーも陥落する有様。ムガル帝国は、一部領土の譲渡を約束に、マラーター同盟に援軍を請うた。こうして、ムガル・マラーター連合vsアフガン勢力アフマド・シャーの戦いが1761年に起こった(パーニーパットの戦い)。
 結果は、ムガル・マラーター連合の大敗。その後、マラーター同盟は当時支配力を強めていた英国の傘下に入った。

 話が長くなったが、このような歴史の影響で、街中には今でもマラータ王国・同盟時代の要塞や城壁が残り、初代王のシヴァージーも今尚厚く信仰されているのだ。



歴史ある城塞・寺院が見どころ
 このような歴史のあるプネーは、宗教色と軍事色が織り交ざった街並みが特徴的。

シャニワール・ワーダー(Shaniwar Wada)
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e0074199_6363288.jpg 上に述べたペーシュワーの第2代バージー・ラーオが1736年に建てたもの。
 ヒンディー語で「土曜日の宮殿」という名だが、宮殿というよりは要塞の体を成している。
 城壁の前は広い庭園になっており、シヴァージーの像が立っている。


パールヴァティ・ヒル(Parvati Hill)
e0074199_6423038.jpg 市の南西のはずれの小高い丘。
 微妙な傾斜が疲れを倍増させる階段をひたすら登ると、寺院群が見えてくる。
e0074199_643448.jpg 中心のパールヴァティ寺院の入口で靴を脱いで門をくぐると・・・
e0074199_6453143.jpg 立派な本堂が目に入ってくる。
 建設は18世紀中頃と言われ、勿論パールヴァティ(シヴァ神の奥さん)
の名が示す通りヒンドゥー寺院なのだが、形状はどこかイスラム建築っぽい・・・ハイデラバードのチャールミナールに似ている。
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本尊の中には、パールヴァティもいるが、旦那のシヴァのリンガ(男根)の像もある。
 ・・・が、何故か顔が。
 なんぢゃこれは。
e0074199_65715.jpg 本堂脇の壁画には、シヴァ一家の絵があるのだが、シヴァの容貌が一般的な姿ではなく、マラーターの王シヴァージー似になっている。
 王の神格化ということか。


ダガダシェートガナパティ寺院(Dagadushethganapati Mandir)
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e0074199_772128.jpg 舌を噛みそうなくらい長い名前だが、要はガネーシャ寺院。
 全インド的に有名なガネーシャ寺院で、ガネーシャ祭りの頃には参拝者でゴッタ返すらしい。
e0074199_7122626.jpg カメラ禁止だが、本堂には巨大で純白のガネーシュ像が鎮座している。


ウィシュワスト・ダット寺院(Wishwast Datt Mandir)
e0074199_7154823.jpg 由緒ある寺院っぽいのだが、御覧の通り大改築の真っ最中だった。
e0074199_7165166.jpg 中の神様は、そのままだった・・・退避させずに改築しちゃうのだろうか・・・?


その他の寺院
e0074199_7184212.jpg この他にも、沢山のヒンドゥー寺院が街の中に実によく溶け込んでいる。
e0074199_72486.jpg そんな街の一角の金物屋の前で、店のオジサンが何やらカンカンと金物食器を叩いている・・・板金?
e0074199_726555.jpg !!・・・ヒンディー語を彫っていた。
 結婚祝いに、新郎新婦の名前・日にちを彫っているのだそうだ。
 日本でたまに貰う、引き出物みたいなものか・・・但し、これはあげるのではなく、自分達で使うもののようだが。


 
オススメ度(100%個人主観)

    ★★☆☆☆ ・・・ 観光地というより避暑地


観光所要時間

    約3時間
by bharat | 2007-01-15 10:30 | インドぶらり旅