第82回旅行は、紅茶の名産地ダージリン
 インドの代名詞のように語られる、ダージリンティー。
 このブランド名は、勿論、産地の地名ダージリンから取ったものだ。

 ということで今回は、ダージリン。


世界的紅茶の名産地

 もともと、この辺りの地域はインドというより、ネパールなどヒマラヤ系やブータン・シッキムなどのチベット系の勢力がその版図をたびたび塗り替えていた場所だった。
 18世紀、ここダージリンはネパールのグルカ族に、隣の尾根にあるカリンポンはブータンの支配下になっていた。

 英国が東インド会社をインドに設立し支配力を強めると、その拠点であるコルカタに程近いダージリンは夏季の避暑地として機能するようになる。
 19世紀当時、ダージリンにあった僧院ドージェ・リンからDarjeelingの名を取り、英国風建築物を建て、斜面には紅茶を栽培していった。
 やがて、高地の涼しい気温・高い湿度とダージリンの土壌が上質の紅茶を産することが分かると、ダージリンティーは山岳鉄道(詳細後述)を使って、英国本土に持ち帰られ、大いに愛飲されるようになった。


シリグリからダージリンへ
e0074199_2051040.jpg 当初、22時00分コルカタ発の夜行列車でニュー・ジャイパイグリ駅まで行き(翌朝8時00分着)、そこからユネスコ世界文化遺産のダージリン・ヒマラヤ鉄道に8時間ほど乗って、ダージリンを目指そうと考えていたのだが、5月は折りしも観光シーズン真っ只中。
 コルカタからの夜行列車をキャンセル待ちしていたがキャンセルが出ず、コルカタで足止めを食うハメに・・・。
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 仕方無く同地で1泊し、翌朝のフライトでダージリン最寄の空港であるバグドグラ(Bagdogra)に飛んだ。
 同空港は、離発着する機の殆どが戦闘機という軍事色の強い空港で、民間機が戦闘機が離発着する間を申し訳無さそうに移動する。
 この空港からダージリンまでは、ジープタクシーをチャーターして直行もしくはシリグリ経由でダージリンを目指す・・・移動時間にして3時間くらい。
e0074199_2075323.jpg 尾根伝いに敷かれた山間道路をくれくれと車が登るのだが、すぐその脇をオモチャみたいな線路が走っている。
 幅わずか61cmのこの線路こそがダージリン・ヒマラヤ鉄道で、DNAの二重螺旋のように自動車道と幾度も交差しながらダージリンまで伸びていた。
e0074199_21544587.jpg 状況説明があとになったが、シリグリからチャーターしたジープは、乗客は私と旅仲間の会社同僚の2名と運転手1名・・・なのだが、運転手の奥さんと子供と友達らしき人も同乗しており、総勢6名と乗客よりも運転手の身内の方が多いという人数構成。
 そして、運転手の自宅が道中にあったので、ここで強制的に小休止を取る。
e0074199_20122991.jpg そして夕方頃、前方で汽笛の音が聞こえた。
 朝9時にニュー・ジャイパイグリ駅を出発した列車がまだこんなところに・・・。
 予定通り、この列車に乗って移動してたら、暇を持て余していたかも。




e0074199_21535116.jpg ダージリンに着いた頃には、とっぷり日も暮れていた。
 何はともあれ、無事ホテルにチェックイン。
 ホテルから外を見ると、派出所の近辺でなにやらもめていたが・・・なんだったのだろう?
e0074199_21591425.jpg ホテルから細い方の道を進むと、ちょっとした商店街が立ち並び、結構時間潰しになる。
 中でも、この骨董品屋は商品のセンスが良くすぐに気に入った。
 店名の示す通り、店主は隣の山のカリンポン出身だった。



e0074199_2224099.jpg ホテルの建物の1階部分にはチベット料理屋のデヴェカス(Devekas)。
 ここのトゥクパ(ラーメンみたいなもの)とモモ(ギョウザみたいなもの)が美味かった。



必見&必乗! ヒマラヤ鉄道!
 翌朝、早起きして行ったグーム近くのターガー・ヒルから御来光を拝むことが出来ず(詳しくはコチラ)、ホテルに戻って朝食。
e0074199_22374950.jpg この間、ホテルの人にこのようなチケットを手配してきてもらう。
 これが、前日の夕方見たダージリン・ヒマラヤ鉄道のジョイライド(Joyride)のチケット。
 ジョイライドとは、要は観光客用に8時間の長時間ではなく、ちょっとだけ鉄道を楽しんでもらおうというもの。
 区間はダージリン~グーム~ダージリンで約2時間、料金は240ルピー(約720円)/人。
e0074199_2242264.jpg 朝10時00分に出発するということで、ちょっと早めに駅に向かう。
e0074199_22443032.jpg 英国が作った鉄道だけあって、駅名の看板はイギリスの地下鉄の看板ソックリ。
e0074199_22524018.jpg 手動のターンテーブル(方向転換器)も、この列車の小ささならでは。



 駅のホームには、ちっちゃな客車が3台スタンバイ済。
 内装は結構立派。
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 甲高い汽笛音を響かせながら、蒸気機関車がホームに入線してきた。
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 午前10時過ぎ、定刻を少し遅れて4両編成の小さな列車がダージリン駅を出発。
e0074199_2259154.jpg 時速10kmにも満たないこの列車、脇の車にどんどん抜かれる。
 列車は、そんなことを御構い無しに、自分のペースでゆっくり走り続ける。
e0074199_231192.jpg あまりにゆくりなので、こんな風に前輪の様子を確かめながら機関士が併走する事だって出来る。


 10時45分頃、登り勾配をグルッと1周して小高い丘バタシア・ループ(Batasia Loop)に到着。
 ここで、カメラを持った沢山の観光客に出迎えられ、列車は5~10分ほど小休止。
 皆、列車を撮ったり、機関部分を覗き込んだりしていた。
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 この間、機関士たちは大忙し。
 なにせ齢100歳以上の機関なので、今の数十分の走行でジョイントというジョイントがゆるむらしく、そこらじゅうトンカチで矯正するのだ。
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 バタシア・ループを出発すると、列車はグーム市街地に入る。
 このあたりは、脇の住宅や店と線路の間隔が恐ろしく狭く・・・
e0074199_23125669.jpg こんな感じや・・・
e0074199_23131763.jpg こんな感じに、列車がスレスレを走り抜けていく。
 浅草の花やしきのジェットコースターみたいな雰囲気。



e0074199_23173838.jpg 11時過ぎ、列車は軽やかに汽笛を鳴らして、グーム駅に到着。
 このあと、列車は再びダージリンに戻るのだが、僕はここで待たせてあった車に乗込み、カリンポンに向かった。





チベット仏教僧院の数々
 土地柄、ダージリンにはチベット仏教(密教)の影響が色濃く残っており、僧院(ゴンパ)も数多く残っている。
 代表的なものを観て周った。

ドゥルック・ダンガク・ゴンパ(Druk Sangak Gompa)
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e0074199_22195482.jpg 歴史的に重要な、ということは無いのだが、1992年にダライ・ラマ(チベットの王様)が献納した巨大寺院。
 御覧の通り、アップでは全体が入らないくらいデカい。
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ブティア・ブスティ・ゴンパ(Bhutia Busty Gompa)
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e0074199_22241267.jpg 市街から少し北方にはずれた丘に建っているゴンパ。
 敷地入口から本堂まで、周囲を木に囲まれており、ちょっと見つけにくい。
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e0074199_22274628.jpg 周囲は完全な住宅街。
 住宅街といっても、丘にへばりつくように家が建ててあり、家々が密集しているという感じではない。
e0074199_22284942.jpg 下の側溝が下水道、その上部に心許無く通っているパイプが上水道と思われる。
 こんな細いんぢゃ、しょっちゅう水がつまったりするのだろう。




やはりこれを語らずには・・・
e0074199_23271285.jpg 最後になったが、紅茶畑のハッピーバレー(Happy Valley)。
 丘にびっしりと植わった茶とうっすらとかかった霧がなんとも情緒ある風景を生み出している。
e0074199_23275431.jpg ハッピーバレー・カフェでは、オバチャン(年齢を聞いたら還暦を超えていた、40そこそこにしか見えない)が美味い紅茶・緑茶を入れてくれる。
 なんでも名物オバチャンのようで、日本の芸能人もTV番組で何人かここでお茶を飲んだようである。




オススメ度(100%個人主観)

    ★★★★☆ ・・・ ここぞ真の避暑地♪

所要観光時間

    4時間
by bharat | 2007-05-03 10:30 | インドぶらり旅