第99回旅行は、文字の無い村ビマ(ベマ)
 レーから北西に進み、ビマ(ベマ)(Bema)というとても小さな集落に到着する。

実質的インド最北端の村
第99回旅行は、文字の無い村ビマ(ベマ)_e0074199_17225964.jpg もう1つ丘を越えれば、パキスタンとの停戦協定ラインというところに位置するこの村。
 村落の殆どは山の上にあり、店が数軒並ぶ小さなマーケットだけが平地の幹線道路沿いにある。
 幹線道路を更に小1時間行くと、インド陸軍の基地があるらしい。


第99回旅行は、文字の無い村ビマ(ベマ)_e0074199_17383082.jpg 因みに、このあたりでは、電話の電波が全く来ていない。
 唯一の通信手段は、軍事基地に申請を上げて許可を貰い、衛星通信を使って電話をすること。

 この子供も、このオモチャが何なのか、分かっていないに違いない。



ナゾの民族ブロクパ
第99回旅行は、文字の無い村ビマ(ベマ)_e0074199_17291350.jpg ここに住む民族は、未だにナゾに包まれている。

 民族の名は、ブロクパ(Brokpa)。
 ラダック系ではなく、アフガニスタン地域から来たと推測されている。
第99回旅行は、文字の無い村ビマ(ベマ)_e0074199_17311528.jpg この民族の特徴として、まず挙げられるのは文字が無いということ。
 コミュニケーション手段が口頭伝承しかない。

 従い、上述した「Brokpa」も、村民に聞いたものを英語表記したに過ぎない。
第99回旅行は、文字の無い村ビマ(ベマ)_e0074199_17333657.jpg 文化。風俗面でも特筆すべき点が多い。
 異民族との交配を原則的にしないので、殆どが近親交配になっており、出生率の低さ・奇形児が多いことが問題視されている。
 入浴の文化は無く、草で体をこすって垢を落とす。

 男女問わず、頭に花を付ける。



 殆どの村民が居住する山の上に行って見た。
 部落長の家に御邪魔する。
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第99回旅行は、文字の無い村ビマ(ベマ)_e0074199_1741726.jpg 家は2階建。
 2階部分にストーブがあり、ここが居間兼キッチン兼寝室になっている。
第99回旅行は、文字の無い村ビマ(ベマ)_e0074199_1742867.jpg 1階部分は、家畜、飼料、食料や農耕具の保管スペースになっている。
 その一角に、このような石が埋まっていた。
 彼らはこれを守護石と呼んでおり、このあたりには仏教とはまた違う、原始的な自然信仰が未だ信じられていることが分かる。



 その晩、彼らが山から下りてきて、民族舞踊を披露してくれた。
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 この踊りというのが、この上なくグダグダなのだ。
 男性3名、女性3名の6名で行われたこの舞踊。
 まず、マスターしているのが先頭の部落長のオジイチャンだけ。
 彼が歌って踊るのを、時間差で他の5人が真似るといった感じで、踊りは進む。
 歌のペースは一定ではなく、歌の切れ間で突然手に持った布をクルクル回す。
 6名の舞踊団は、エンドレスにキャンプファイアーの周りをゆっくり回り、オジイチャンが方向転換すると、後続が方向転換に間に合わずぶつかる。

 ・・・この伝統舞踊、オジイチャンの代で終焉を迎えるのでなかろうか・・・?


オススメ度(100%個人主観)

    ★★★★☆ ・・・ 文化の多様性を実感

所要観光時間

    2時間
by bharat | 2007-06-10 10:30 | インドぶらり旅