第102回旅行は、世界遺産モスクのあるチャンパーネル
e0074199_1332163.jpg ヴァドーダラ(バローダ)を北東に約50km(車で1時間くらい)。
 パーヴァガル(Pavagadh)の山とチャンパーネル(Champaner)に到着する。


インドで一番若い世界遺産

 パーヴァガルの山およびチャンパーネルのモスク群は、2004年にユネスコによって世界文化遺産指定を受けた、インドで一番若い世界遺産だ(2007年6月現在)。

 この一帯の歴史は8世紀にまで遡る事が出来る。この土地の王ヴァンラジ・チャヴダ(Vanraj Chavda)が親友であり臣下のチャンパ(Champa)将軍の名を土地に付けた。
 その後、ラージプート民族(ラージャスターン系の戦闘民族)がここを支配下とした際に、軍事拠点として後背のパーヴァガルに要塞を築いた。
 この要塞は、1484年にムハマド・ベガダ(Mahmud Begada)というスルタン王朝の王によって征服され、次いで1535年にはムガル帝国の第2代皇帝フマユーン(彼の霊廟はデリーにあり、世界遺産に指定されている)によって平定された。



パーヴァガル山のカーリー寺院
e0074199_994441.jpg パーヴァガルとチャンパーネルは隣接する山と平地で、前者パーヴァガルの山頂にはカーリー女神を祀った寺院およびジャイナ教寺院がある。
 毎日、相当数の参拝者がおり、特に週末ともなると、すごい数の教徒たちがここを訪れる。


e0074199_9103860.jpg 山へのアクセスは、徒歩あるいはロープウェー。
 徒歩だと片道30~45分かかるが、ロープウェーなら約5分で行ける。
 料金は、片道だと55ルピー(165円)、往復で87ルピー(261円)。
 中流層の人達にしか払えないくらいの料金設定だ。
e0074199_8515652.jpg にも関わらず、結構な行列が出来ていた。


e0074199_8532420.jpg ロープウェー降場からカーリー寺院までは、露店街を通りぬけて約5分ほど歩かねばならない。
 山頂にも関わらず、この露店街が結構盛況を呈している。
e0074199_8555326.jpg 華やかな装飾を施した牛や、
e0074199_856349.jpg カーリー女神(正確にはドゥルガー女神)の乗り物であるトラのぬいぐるみなどに出くわす。


e0074199_905690.jpg 露店街を抜けると、少し開けたところに出る。
 ここには、人造湖を取り囲むように小さなヒンドゥー寺院が建っているほか、ジャイナ教寺院も残っている。
e0074199_914973.jpg 歴史的背景は分からないのだが、この場所はジャイナ教徒たちにとっても、由緒ある場所であるらしい。
 しかし、このジャイナ教彫刻の痛み具合が半端ではない・・・そこらじゅうにカーリー寺院礼拝者と思しき人達の落書きがされている(ジャイナ教徒が自分の寺院にこんな事をするとはまず考えにくい)。

e0074199_943539.jpg さて目当てのカーリー寺院なのだが、このような長蛇の列が出来ており、しかも非ヒンドゥー教徒が中に入れるかは不明だったので(聞く人によって答えがマチマチ・・・インドでは御馴染みにパターンだが)、本堂突入は断念。


e0074199_983483.jpg この山頂部分だが、ヒンドゥー寺院よりもジャイナ教寺院の方が数は多い。
 人造湖周辺のほかにも、いくつかジャイナ教寺院や建物跡があった。
e0074199_984387.jpg


e0074199_9125340.jpg 帰りもロープウェー。
 乗り場で、男子グループと女子グループに夫々声をかけられる。
 彼らはグジャラーティー語を話すのだが、ヒンディー語が強烈に訛ったような言語なので、かろうじてヒンディー語で会話が出来た。
e0074199_91393.jpg
 ガイジンに会うのがたいそう珍しいらしく、国籍やら住んでいる場所やら色々聞かれた。
 で、御決まりの写真撮影。


e0074199_9153445.jpg ロープウェーを降り、出口方面を進むと、さっきの男子グループが待ち受けてて、人形劇を一緒に観ていかないかと誘ってきた。
 よく見ると、広場にイスと簡単な舞台がある。
 10ルピー(30円)で、シュールな人形劇を観劇。



モスク群
 平地のチャンパーネルには、上述したスルタン王朝期に建造されたモスクが綺麗に残っている。

ジャミ・マスジッド(Jami Masjid)
e0074199_1311599.jpg 一番目立つところにあるのが、このモスク。
 中央のモスクを取囲む壁は殆ど崩れていない。
e0074199_1374678.jpg 内側に通じる大きな門。
 彫刻が細かく、かつ痛んでいない。
e0074199_234897.jpg モスクは、2本対称の尖塔が特徴的。
 高さは30mあり、いずれも欠けることなくそびえ立っている。


 モスクの外壁は、砂岩を彫った細かい彫刻がビッシリ。
 内部には、四角-十角形-円形への続く丸いドームがあり、彫刻が細かい7つのミラブ(Mihrab、礼拝する方向に柔らかにくり貫いたデザインの出窓状の空間)がある。
e0074199_2638.jpge0074199_261127.jpge0074199_261925.jpg


e0074199_2101570.jpg あと目立つのが、この柱。
 なんと、172本もあるらしい。
 建築上、必ずしもこんなに必要ではなかったと思うが、何か宗教的な意味合いでもあるのか・・・?
 こんなポップな壁面もいくつか見ることが出来る。
 妥協の無い左右対称を追求するイスラム建築にあって、この自由なデザイン配置はちょっと珍しい。
e0074199_2123582.jpge0074199_2124332.jpg



ケヴダ・マスジッド(Kevda Masjid)
e0074199_227358.jpg ジャミ・マスジッドからちょっと離れてあるのが、このモスク。
 これも、1458~1511年のスルタン王朝ムハマド・ベガダ治世期に建てられた。
 目下、修復作業の真っ只中だった。
e0074199_2274882.jpg モスクは、ジャミ・マスジッド同様、2本の尖塔が入り口に狭い間隔で立っているタイプ。


 特徴的なのは、もしろモスクの前に建っている建造物。
 セノタプ(Cenotaph)と呼ばれ、要は霊廟にあたるものらしい。


ナギーナ・マスジッド(Nagina Masjid)
e0074199_381317.jpg ケヴダ・マスジッドの脇を歩いて進む。
 灼熱の気候の中、15分ほど歩く。
 すると・・・
e0074199_2535885.jpg こんなモスクが見えてくる。
 これも、前述の2つのモスクと同時期に建築されたものだ。
e0074199_3114059.jpg 建築様式は、ケヴダ・マスジッドと酷似しており、モスクとセノタプの1セット形式。
 ただ、残念ながらここのもすくの尖塔は途中からポッキリ折れてしまっている。


e0074199_3125389.jpg しかし、それを補って余りあるのが、このセノタプの完成度と保存状態の良さ。

 一族の繁栄等を意味する、1つの幹から幾重にも広がる木々のデザインは、実に見事な彫刻だ。
e0074199_3152465.jpge0074199_3153976.jpg




オススメ度(100%個人主観)

   ★★★☆☆ ・・・ 通好みな隠れ歴史スポット

所要観光時間

   3時間
by bharat | 2007-06-14 10:30 | インドぶらり旅