2005年 11月 01日 ( 1 )
デリー3 イスコン寺院
 デリー市内にヒンドゥー寺院は数あれど、こんな寺院はここだけぢゃないかな。
 名称からその内容まで、一風変わった寺院に行ってきた。

変な名前・・・


e0074199_2291790.jpge0074199_229143.jpg 旅のガイドブックにも載っていないけど知る人ぞ知る寺院、その名も「イスコン寺院(Iskcon Temple)」。
 変な名前だが、これは International Society for Krishna Consciousness の略だ。1966年に設立された、ヒンドゥー教に出てくるクリシュナ神を祀る団体が主催する寺院なんだそうだ。同団体は全世界的にヒンドゥー教普及活動を行っており、方々にこのイスコン寺院を建てているようだ。
クリシュナ神というのは、数々いるヒンドゥー教の神様の中でも特に人気のある神様で、ヴィシュヌ神の化身の1人とされ、絵画・映画・絵本などに数多く登場する「超人気俳優」だ。
 色んな寓話の中に、様々な姿で登場する・・・あるときは牧童、あるときは馬車引き、あるときは不倫恋愛の主人公、といった具合。



TDLヒンドゥー教バージョン
 簡単なセキュリティ・チェックを済ませ、入口をくぐる。
 左側にいきなりレストランが。
 奥には、ギフトショップらしき店もあり、ちょっとしたテーマパークの雰囲気だ。

 最奥の寺院の手前には、大きな建物が。
 中では、ヒンドゥー教にまつわる様々なアトラクションが行われているという。

 『マハーバーラタ』の内容を約1時間半かけて説明するロボットショーと約25分かけて「It's a Small World」風に説明するアトラクションの2つが目玉らしい。
 ・・・とても1時間半は耐えられそうに無いので、25分ものを選択。ガイジン価格100ルピー(約250円)。

 アトラクションの話を進める前に、ちょっと『マハーバーラタ』について。
 インドでは、古代インド2大叙事詩と呼ばれる書物が存在する。
 一方は『ラーマーヤナ』で、もう一方が『マハーバーラタ』。

 『ラーマーヤナ』は、紀元2世紀頃纏められたもので、題名は「ラーマの行い」の意。
 内容はとても大雑把に言うと、ラーマ王子の冒険譚。コーサラという国の王位継承権を持つ王子ラーマが他国のシーター姫と結婚。その後ラーマ王子とシーター姫は、国王の第二王妃が自身の子を次の王にしようと目論んだため、国外に追放されてしまう。追放されている間、シーターが魔王にさらわれるが、ラーマはサルの部下ハヌマーンとともにその魔王を征伐し、姫を救出する。その後、彼らは無事母国に凱旋する。
 この物語は、何度も編集がなされ、その過程で主人公ラーマはヴィシュヌ神の化身というステータスになった。要するに、ただの一国の王子が神様になっちゃったわけだ。同様に彼の部下ハヌマーンもただのサルから猿神になっている。


e0074199_5582611.jpg 『マハーバーラタ』は、紀元前4世紀頃にまとめられた詩で、題名は「バラタ族の戦争を物語る大史詩」という意味。

e0074199_692077.jpg 内容は、バラタ族内の王位継承戦争についてなのだが、本編2割に対して挿話が8割を占めている。中でも挿話『バガヴァド・ギータ』は特に有名で、アルジュン王子が同族を討つことに逡巡するのを戦車(4頭建の戦闘馬車)を引く戦闘指南役のクリシュナが「私利私欲の為ではなく、正義の為の戦いなのだから、迷うことは無いと諭す物語だ。またこの挿話の中では、輪廻転生の考えを説いているほか、ヨガ(「知識」「行為」「信愛」の3種のヨガ)についても触れている。

e0074199_693832.jpg 尚、この『マハーバーラタ』は現在においても絶大な人気を誇り、1988~1990年にテレビ放映された際には、視聴率90%を叩き出したというからスゴい。




e0074199_6174982.jpge0074199_6173864.jpg ・・・で、話を25分のアトラクションに戻すと、内容は上述の『バガヴァト・ギータ』。
 色々な話ごとに部屋が分かれていて、それを歩いて回る形式になっている。
 上述した、アルジュンとクリシュナの戦車での会話のシーン、輪廻転生について、3種類のヨガについて、私利私欲の愚かさについて、時間の強迫観念とそこからの解放について、などなどの説明がナレーション(ヒンディー/英語)でなされる。

e0074199_620956.jpge0074199_6195926.jpg 人形・ジオラマの作りがとてもリアルで出来が良い・・・普段から道路工事や大工仕事で大雑把なところを見ているので、ちょっと見直してしまった。




 アトラクションを終えた出口には、ヴィシュヌ神が鎮座しておりました。
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ちゃんと本堂で礼拝もしてます

 アトラクションやギフトショップだけではなく、ちゃんと本堂も充実している。
 クツと靴下を預けて、いざ本堂に入ると、音楽に合せて信者たちがクリシュナ神とラーマ神を讃える歌を歌っていた。
 音楽がハイテンポになってみんながハイテンションになると、本堂奥の扉が開き、神様の像が出現。みんな一斉に両手を挙げて、御祈りを捧げる。





・・・インド最高水準のアトラクションと、敬虔な宗教施設との合せ技、「イスコン」。
個人的には結構オススメ。
by bharat | 2005-11-01 01:00 | デリー市内あれこれ