2006年 10月 08日 ( 1 )
第76回旅行は、藩王の旧都アルワール
e0074199_18571762.jpg デリーから、南南西に車で約4時間。
 藩王の王都として栄えたアルワール(Alwar)に到着する。

 アルワール王国は、1771年、から出たラージプートのタクール・プラタプ・シン(Thakur Pratap Singh)が建てた。同名の都をここアルワールに置き、18世紀のインドの軍事戦略上、非常に重要なポジションを担った。
 当時、インド内で、強大な勢力を誇っていたマラタ(Maratha)王朝と戦っていた英国は、このアルワール藩王国を防波堤と位置付け、同盟関係を維持して、様々なサポートを行った。
 このアルワールが皮切りとなってラージャスターンの多くの藩王たちが英国と同盟を結んだが、これらの関係はのちに、英国の成すがままにしか出来ないという不満から崩れてしまう。

 タクール・プラタプ・シンの後、バクタワール・シン(Bakhtawar Singh、治世1791~1815年)、バナイ・シン(Banai Singh、1815~1857年)と良くこの地を治め名君と言われたが、最も有名なのは、ジャイ・シン(Jai Singh)だ。彼は、1902~1932年までこの地を治めたが、過激な性格で(英国とのポロ試合で負けて、馬に火を付けたというエピソードが残っている)、最終的には英国により失脚させられた。

 インド独立の際、この地域は最後まで藩王(Maharaja)らが統一国家形成に難色を示して揉めたが、最終的にラージャスターン州に組込まれ、現在の形になった。


 デリーとジャイプールを繋ぐ大動脈、国道8号線からは随分と南に逸れるが、デリーから155km、ジャイプールから約143kmとほぼ中間地点。
 東西・南北に舗装道路の交流点に位置し、大きな電車の駅もあり(宮殿列車の記事に付記したFairy Queen Trainはデリーとこのアルワールを結ぶ蒸気機関車である)、人口はなんと30万人。



 ・・・でも、その前に。
 忘れそうになったが、市街地に入る前にこんなものがあった。

ジャイ・ヴィラス宮殿(Jay Vilas Palace)
e0074199_19183986.jpg
e0074199_1922318.jpg 
タタルプールからアルワール市街に向かう途中、遭遇したのが、この建物。
 今は、公共施設の建物として使用されており、観光客が入れるようにはなっていない。
 大通りからは城壁しか見えず、裏の細い路地に回らなければ全貌が見えてこない・・・見逃している人も多いのではないか。
 雨季直後に来れば、手前の沼地も綺麗な水面と化していたのだろう・・・ベストな時期は8月前後かな。



市街部
e0074199_1630997.jpg アルワール市街の様子は、観光地といった様子は全く無く、中規模の商業拠点といった様相。
 道幅も広く、交差点の中央には、時計塔や銅像などが建っていた。
e0074199_16303616.jpg 街からはずれたところにある丘を目指す。
 この丘に、ラージプートの城砦が今も残っているという。


宮殿と周辺施設
 そもそも丘の上の城砦を見に来たのだが、思いがけず広大な宮殿施設が広がっていた。

シティ・パレス
e0074199_19264010.jpg 手間の門をくぐると、いきなり中庭に出てくる。
 この施設は、1793年、バクタワール・シン藩王が建てたもの。
e0074199_1959305.jpg 屋根の腐食や装飾のはがれが見受けられるものの、建物の殆どは残存しており、保存状態は全然悪くない。
 おまけに、公共施設(観光事務所・博物館)として現在も現役で活躍中。

夏の宮殿とバクタワール・シン廟
e0074199_20304943.jpg シティ・パレスの中庭を抜けて、丘の方角を向くと、人造湖(サーガル)を取囲む建物が見えてくる。
 水色と黄色の鮮やかなコントラストが際立つ建物は、宮殿。
 過酷な夏をしのぐ夏の宮殿といったところか。
e0074199_20333515.jpg 向かって宮殿の左側には、丸いドームを持った建物。
 これは、一体の建物を建てたバクタワール・シンの廟だ。



城砦への遠く険しい道

序盤戦
e0074199_2036160.jpg 丘の上にかすかに見える城壁を頼りに、山登り開始。
 道は、一応石畳になっているので、迷子になる心配は無さそうだ。
e0074199_20372917.jpg 歩いてすぐ、道端のあばら家の前に佇むジイサン発見。
 「まだ上までは結構あるぞ。水でも飲んでいかんか?」と壷の水を薦めてくれたが、丁重に御断りした・・・こんなところで急性の下痢になったら、絶対野グ○だもんな。

城門その1
e0074199_20413363.jpg 20分ほど歩くと、城門が。
 日本の城郭と同様、こちらの城砦にも本丸・二の丸などの建築構造が見られる。
 恐らく、これは一番外側の城壁にある門と思われる。

中盤戦
e0074199_20442360.jpg 更に登ること30分。
 遠くに綺麗な城壁が見えてくる。
 ・・・あそこまで行くんか、遠いな。

城門その2
e0074199_20454432.jpg 歩き始めてから1時間弱。
 漸く、最後の城門をくぐる門を突破。
 こんなの、鎧を着込んで攻込んだら、敵に出くわす前に疲れ果てるだろうな。

山頂の寺院
e0074199_20503252.jpg 山頂には、ヒンドゥー寺院が。
 驚くことに、ポツポツ参拝者が。
 こんなところまで、みんな歩いてきたのかな?
 女性や子供もいるが・・・・


 ・・・・と驚いていると・・・・ん??道??
e0074199_20522075.jpg

 Noooooooo!!
 車でここまで来れたんぢゃ無いか!
 一気に疲れが出てきた・・・。

e0074199_20534729.jpge0074199_20535876.jpg こんな廃墟も。
 落書きする内容は、万国共通なのかしら・・・。


バラー・キラー
e0074199_2112738.jpg ヒンディー語で「大きな城砦」を意味するこの施設は、現在は丘全体の治安管理を行う無線基地として使われている。
 といっても、日本のアマチュア無線マニアが嘲笑するくらいの粗末な機材が並ぶ程度。
 職員も2名いたが、とてもヒマそうだった・・・詳細はナオミさんのブログ御参照


e0074199_2135774.jpg 建物が中庭を取囲むスタイルは、前述のシティ・パレスと極めて似ている。
 保存状態はあまり良くないが、気軽に中に入って高層階に昇れる。


 最上階から、丘の逆側を見ると・・・思いもよらぬ絶景が広がる。
e0074199_2155028.jpg

 中央の窪みが単なる扇状地なのか(にしても川は見当たらない)、クレーターのような外圧で出来たものなのかは不明だが、吸込まれるような感覚に陥る。



 ・・・絶景を楽しんだのも束の間、水分補給も出来ないまま、来た道を引返す。
 ふもとで、「バラー・キラー こちらから車で○○分」みたいな看板を出しておいて欲しいものだが・・・。


オススメ度(100%個人主観)

   ★★★☆☆ ・・・ ジャイプールニムラナと組合せると◎かも

観光所要時間

   4~5時間(全て車でまわれば2時間以上短縮可)
by bharat | 2006-10-08 10:30 | インドぶらり旅