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橋梁崩落事故・・・他人事では無い
 12月2日(土)朝、ビハール(Bihar)州のバーガルプール(Bhagalpur)というところで、橋梁の崩落事故が発生。
 杜撰な管理体制・設備の老朽化等が原因だが、その因果関係よりも、日頃オンボロ橋をよく見ている者にとっては、「やっぱり崩れるんだ・・・」と、かなりヒヤッとしたものを感じた。

概要
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 上図が今回の事故の概要。
 まず、前提条件として、この橋梁は築150年と大変古いため、代替の橋が最近完成。
 古い方の橋は、取崩工事の最中だった。

 12月2日の7:25、橋の下をくぐる格好で、3071列車がバーガルプール駅に到着。
 このとき、列車の8両目以降は駅からはみ出て、第8車両が橋の真下に来る状態。

 この直後7:26、橋梁の取崩工事をしていた作業者が異常を察知、駅関係者に電車の出発を中止する様警告した。

 そして7:28、駅関係者が警告を無視して、電車を出したところ・・・

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 第8車両の真上に、橋が一気に崩落。
 35名が死亡、100名以上が負傷した。


道路インフラの老朽化と近代化する移動手段

 事件そのものが衝撃的なのは言うまでも無いが、この写真を見て驚いたのが、橋が殆ど煉瓦と漆喰だけで出来ていたらしいこと。
 これでは、崩れるに決まっている。
 当初馬車・自転車・軽量な自動車くらいしかしていなかった橋の上には、過積載の貨物トラックが往来し、その下を鉄道列車がガタガタ振動しながら行き交う。
 こんな環境で、橋が持ち応えられる訳が無い・・・のだが、こんな風景、実にインド中で見かけたりするのだ。

 インドに来て約1年半、だんだん感覚が麻痺してきたが、出張・旅行で陸路を使うときは要注意だな・・・やっぱり。
by bharat | 2006-12-10 10:30 | ふと思うこと
指定カースト者による暴動勃発

 去る11月30日、マハラシュトラ州のムンバイ近郊で、暴動が発生した。

事件の概要
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 地元報道では、11月30日にダリット(最下部カーストの人々、以前は不可触賤民と総称されたことも)の者たちが、ムンバイとプネーを結ぶ特急列車「Deccan Queen」に放火。
 この事件で、少なくとも2人が死亡、警察官45人を含む60人が負傷する大惨事となった。

 放火犯の動機は・・・
 放火事件より遡る事3日の11月27日、マハラシュトラ州プネーに程近いカーンプールというところで、ダリットカーストの少年が投石されて死亡した。その上、村にあった下位カースト者の生きる希望ともいえるアンベードカル(下位カーストの出ながら、インドの初代法務大臣になった。詳細はラクナウ旅行記で書いたので御参照)の像の首を切落とすという悪質ぶり。
 これに怒ったダリットカーストの人々が、列車に火を放ったというわけだ。

 その後、この事件がTVや新聞で取上げるや否や、インド各地で同様の暴動が勃発。
 車やバスがボコボコに破壊されるなど、被害が大規模化。

 マハラシュトラ州首相が外遊の予定をキャンセルし、事態収拾すべくインドに緊急帰国する異常事態となった。


事件から浮かび上がってくるもの

 この事件が大規模化してしまった背景を知る上で、意味深いコメントがある。
 ダリットの人権運動家の1人が、「ダリットカースト者は、カーンプールでの事件1つに怒って暴動を起こしたのでは無い。バンダラ村一家惨殺事件での政府の対応の酷さが直接の原因だ。」とコメントしたのだ。

 要するに、未だ頻発する理由無き下位カースト者への差別・弾圧に対して、しかるべき対応をしない政府に対する怒りが、暴動を起こしたというのだ。
 ・・・我々の理解を超えた根深さがここに垣間見える。

 また、下位カースト者に対する生活保障の遅れも、彼らの怒りや不満の温床になっていると言える。
 新聞の調査結果によると、教育の提供はここ最近だいぶ下位カースト者にも普及してきたようなのだが、生活基盤の向上はなされず、「学校に行かせてもらったは良いが、ちっとも生活は良くならねぇぢゃねぇか!」ということらしい。

(TIMES OF INDIAより)
1995年から2003年にかけての改善%
          ダリット   上位カースト
<教育面>
初頭教育     14       14
中等教育     60       45
高等教育    106       42

<生活面>
電気        44       55
飲料水       48       70
下水        23       42
住居        42       57

 確かに、教育に関しては、私も実感する局面があった。
 以前、インドの大学に言っていたときに、成績発表がカースト別だった・・・これは、下位カースト者には一定の優遇措置が取られるためのもの(詳細こちら)。
 また、十分とは言えないものの、村にも学校があり、金銭負担力の無い人も授業を受けられる受皿はある(詳細はこちら)。

だが、生活基盤となると、かなり劣悪な生活環境で暮らしている下位カースト者が多い印象を受ける。下位カースト者のみが居住するアラハバードの村に行ったことがあったが、悲惨な状況だったのを記憶している。



 北米・中南米では、スポーツなどで財をなす所謂「アメリカン・ドリーム」というのがある。
 が、ここインドでは、そんなに色々なスポーツがある訳でも無いし、全員が全員ボリウッド映画界に入れる訳ではない・・・。
 長い宗教史の中で、当然の如く虐げられてきた人々が、瞬時に這い上がれる方法というのは、ここインドには無いということか。
by bharat | 2006-12-02 10:30 | ふと思うこと
逃れられぬカースト
 去る9月、ある事件に決着が付いた・・・と報道された。

 陰惨な強姦殺人事件について、犯人が賠償金を支払い、決着したというのだ。
 が、その中身は決着どころか、旧態依然としたインドを示すものだった。
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事件概要

 事件は、ナグプールに程近いバンダラ(Bhandara)という村落で起きた。

 バイヤラル・ボトマンゲ(Bhaiyyalal Bhotomange)とその妻スレカ(Surekha)、その親戚ガジビエ(Gajbhiye)は、マハール(Mahar)カーストの小作農。
 マハールカーストは、かつて不可触賤民と呼ばれた最低カーストの1つで、インド初代法務大臣アンベードカルはこのカーストの出である。
 もっとも、「カースト」といっても、彼らはアンベードカル同様に、ヒンドゥー教から仏教に改宗していたので、表面上はヒンドゥー教のカーストとは関係なくなっていたのだが。

 そんなボトマンゲ夫婦とガジビエが、地主から一方的に耕作地を減らされたのが1996年。
 理由は、上位カースト農民が使用するトラクターの為の道路を作るというものだった。
 更に、最近になって、水路を作るというので、更に農地を潰すことが決定。
 ここに至って、ボトマンゲ夫婦とガジビエは抗議行動を開始。

 すると、地主側もこの弾圧行動を開始。
 9月3日、15名の暴漢がガジビエを襲撃。ガジビエがスレカと肉体的関係にあるとして、その破廉恥行動を諌めるというのが彼らの言い分だった。
 暴行を受けたガジビエは、警察に駆込み、すぐに12名が逮捕された。

 9月29日、解放された12名は、その夜痛飲。
 酔った勢いで、ガジビエに復讐すべしという雰囲気になり、ガジビエの自宅に急行した。
 暴漢たちの目的は、ガジビエと彼の家族を殺すことだったのだが、当日ガジビエ一家は不在。
 その足で、ボトマンゲの自宅を襲撃した。

 ボトマンゲの家には夫婦のほか、23歳の長男ローシャン(Roshan)、21歳の次男スディル(Sudhir)、長女のプリアンカ(Priyanka)が一緒に暮らしていた。長男は盲目、次男は学卒、プリアンカに至っては学業優秀で近い将来軍隊に入って家庭の生計を助ける予定だったという。

 襲撃当時、バイヤラル・ボトマンゲは家を出ており、家主以外の4名が家に居た。
 12名の暴漢は、この4名を家の外に引っ張り出し、まずスレカとプリアンカを襲撃。
 衣類を剥ぎ取った上、自転車のチェーンや斧で全身を殴打した上、入替り立代りレイプし続けた。2名はその過程で死亡してしまった。
 次男スディルが、携帯電話で警察に通報を試みるが、暴漢に見つかり、リンチされて死亡した。
 長男ローシャンも殴打され続け、死亡した。

 騒ぎを聞いたバイヤラルは、この状況を、ただ物陰で見守ることしか出来なかったという。

 これだけの騒ぎになっていたのも関わらず、村民は誰一人として助けたり、警察に通報したりしていない。
 なぜなら、この村落に最下級のマハールカーストはボドマンゲ家とガジビエ家しかなく、その他彼らより上位カーストの村民たちは皆見てみぬふりをしていたのだ。

 ガジビエが隙を見て、警察に駆込んだのが18:15。
 警察の一団が、現場に駆けつけたのは20:30。
 しかし、彼らはただのパトロール係で、事件の記録は出来ないとして、そのまま警察署に帰ってしまい、記録もされなかった。

 翌朝、茫然自失のバイヤラルが警察に赴き、惨状を訴えたが、警察の対応は驚くべきものだった。
 「事件の記録がされていない。おまえは虚偽を話しているに違いない。」
 結局、翌日に4体の惨殺死体が近隣の野原で発見されたことで、警察は重い腰を上げて、事件の検証に動き出した。

 だが、この検証も上位カースト者が作った出来レース。
 犯行に使われた武器はことごとく隠蔽され、警察側の医者も「女性2人への性的暴行は無かった」との診断書を纏める始末。

 スレカの親戚がこの判断を不服として、地元の農業家の連盟(VJAS)を通じて抗議、現場検証をやり直すよう要請。
 これに警察は渋々対応し、2~3回目の現場検証を行ったが、形式的なものに終始した。
 
 この強姦殺人事件で、最終的に38名の容疑者が逮捕された。
 が、VJASコメントでは、主犯格は政治的な立場を利用して、警察に圧力をかけ、未だに捕まっていないのだという。

 被害者への保障も、酷いものだ。
 マハラシュトラ州が一方的に保障金額を決定、たった1人残されたバイヤラルに、45万ルピー(約117万円)が支払われた。
 一家4人の命が117万円とは・・・。

 但し、法律家筋の見解でも、現行の法律(残虐行為予防法 Prevention of Atrocities Act 1989)に照らせば、最大で1人20万ルピー(約52万円)しか賠償金はおりないのだという。
 インドの所得水準を考えて、この金額は妥当なのか・・・。


 因みに、私が先般行ったナグプールでの仏教記念式典は、そんな事件の直後に行われた。
 企画側は、事件について触れないようにし、仏教徒の暴動が起きない様(冒頭にも触れたが、被害者はヒンドゥー教から仏教に改宗したインド人なのである)、細心の注意を払っていたのだという。


この事件で考えること

 この事件について知ったとき、2つの事実に驚き、またインドの闇の部分が見えた気がした。

① カースト制にはびこる上位者の下位者への弾圧は厳然として残っている
 今回の事件では、村落にただ2家庭のみ存在する最下層カーストが被害にあった。
 そして、被害現場に居合わせた周囲の村民たちは、だんまりを決め込んでいた。
 大都市から少し離れた(日頃のアクセスが可能なくらい近い)村落でさえも、先進国から大都市に流入する新しい文化に対しては未だ閉鎖的で、数千年来の慣習に基づいた行動・思考をしているということか・・・。

② ヒンドゥー教徒から異教に改宗しても、カースト弾圧から逃れられない事実がある
 私が強い関心を寄せているインドの政治家アンベードカル(彼についてはラクナウ旅行記で詳しく書いたので御参照)。
 彼は、ヒンドゥー教の生活様式の根幹を成すカースト制について、ヒンドゥー教徒であり続ける限りこれを廃止することは出来ないと判断、死の直前に仏教に改宗した。

 今回、被害にあった最下級のマハールカーストのボトマンゲ家は、恐らく上位カーストからの弾圧から逃れるために仏教に改宗したのだろう。
 だが、農民が農地から簡単に離れられる訳はないし、金銭的余裕のない者が見知らぬ土地に移動するのも極めて困難だろう。
 結局、先祖代々育った土地でヒンドゥー教を捨てても、カースト差別を負の遺産として引き継かざるを得ないのが実情なのか・・・。



 日頃、デリーで生活していると、カースト差別、宗教差別、貧困などを目の当たりにすることは殆ど無い。
 インド全人口の1%に過ぎないこの都市にいて、インドを理解している気になる錯覚・・・地域格差が大きな国においては気をつけなければならないと、実感した。

 
by bharat | 2006-11-23 10:30 | ふと思うこと
ブラピ&アンジー ムンバイに現る
 皆さん、現在インドにアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットがインドに滞在しているのを御存知だろうか?

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 現在、2人(+アンジーの養子2人)は『A Mighty Heart』の撮影のため、ムンバイを訪れており、11月12日には空き時間を利用して、家族でムンバイ散策をした。

 余談だが、『A Mighty Heart』は、イスラム抗争を追っていたWall Street Journal紙のダニエル・パール記者の人生(2002年パキスタンで死亡)を描いた映画で、アンジーはパール夫人マリアンを演じ、ブラピは映画のプロデューサーを務める。
 映画の舞台となるカラチ(パキスタン)に似ているということで、ムンバイに近いプネーがロケ地に選ばれた。


 新聞には、瞬く間に人だかりが出来たとあるが、インド人たちが2人にキャーキャー言っていたというのは俄かには信じ難い。
 デリーの映画館では、ヒンディー映画上映館が満員御礼でも、ハリウッド映画上映館は閑古鳥というのが、珍しくない。
 加えて、芸能誌もヒンディー映画俳優の記事がメインで、ハリウッド俳優のゴシップネタはあまり取上げられていない。

 まぁ、少なくとも日本ほど大騒ぎになっていないことは、確かだろうな。


 ・・・以上、たわいも無い話でした。
by bharat | 2006-11-13 10:30 | ふと思うこと
インドの桃太郎伝説 ダセラ
 今年の10月2日は、インドの祝日。
 マハートマー・ガンディーの誕生日であると同時に、インド最大級の御祭りダセラ(Dussehra)なのだ。

インド版 前正月 実は・・・
 ダセラは、日本で言うところの前正月。
 ここから20日間(今年なら10月21日)、インドは御正月を迎える。
 ・・・とは言っても、インド中の経済活動が20日間ブッ続けで休む訳ではない。

 現在では、前正月のダセラ、後正月のディワリ(昨年の様子はコチラ)を1日ずつあるいはその前後数日を休むスタイルを採るケースが多い。

 で、このダセラであるが、言われは大凡以下の通りだ。

e0074199_4144027.jpg インド2大叙事詩の1つ『ラーマーヤナ』の中の話の1つで、主人公ラーマ王子が悪魔ラヴァナを倒すという冒険譚が記されている。
 このラヴァナは、ダセラ(10の頭)を持っており、夫々激情、プライド、怒り、貪欲、理性の喪失、欲望、憎しみ、嫉妬、利己主義、不正直と、要はあらゆる欲望を象徴している。
 ラヴァナにシータ姫をさらわれたラーマ王子は、部下の猿神ハヌマーンを引き連れて、ラヴァナの棲むランカ島(セイロン島、現在のスリランカ)に渡る。
 島での激闘の末、ラーマ王子はラヴァナを倒し、松明の灯るインド本土に帰還するという話。

 ラヴァナを倒した日がダセラ、帰還した日がディワリ。

 ・・・島に渡って、猿を引連れ鬼退治。
 どこかで聞いたことのあるシチュエーションだが・・・!
 桃太郎伝説だ。
 詳細は、かなり変化しているが、日本の昔話の代表作品である桃太郎伝説は、このダセラのくだりが元になっているらしい。
 キビダンゴは、差し詰めグラブ・ジャムン(インドの甘菓子、とても甘い)なのかな・・・?


仮面ライダーのボス敵なみに・・・
 ダセラ祭は、インドの至るところで行われる。
 私は、当日ナグプールを周遊していたので、デリー周辺のダセラの様子を知ることは出来なかった。

 これについては、naomiさんのブログに詳しく書かれているので、御参照。
 勧善懲悪の局地、悪魔ラヴァナは、毎年インド中で木っ端微塵になっている・・・。
by bharat | 2006-10-04 10:30 | ふと思うこと
駐在員居住地域で、ガイジン殺し発生!
ベルギー大使館職員、刺殺される

 9月24日(日)、在デリーの駐在員たちに戦慄が走った・・・

 数多くの日系企業駐在員が居住する住宅街、Vasant Vihar地区で殺人事件が発生したのだ。
 被害者は、デンマーク大使館職員の47歳女性。
 自宅で刺殺された。

 我々が思ったのは、「なぜセキュリティがしっかりしたこの地区で発生したのか?」ということ。

 原因は至って簡単で、加害者は被害者が雇用していた運転手だったのだ。
 これでは、ゲートの門番だって、入門を止める訳にもいかないだろう。

 詳細はこうだ。

e0074199_5334194.jpg 日曜日、運転手に車を運転させて、夕食に向かった際、運転が乱暴なので注意をした。
 その後、再三の注意にも拘らず運転内容が改まらないので、女性は怒って車を降り、オートリクシャーで帰宅した。
 運転手が1人で女性宅に戻ると、女性の怒りは収まらず、金を運転手に叩きつけ、「アンタもうクビ!」とその場で解雇した。
 これで、運転手がキレてしまい、そのまま女性宅に侵入、キッチンにあったナイフで女性を22箇所のメッタ刺しにした。


 ・・・御互い、ちゃんと理論的な議論をしていればこんなことにもならなかったろうに。

 不謹慎な表現で誤解を招きたくは無いが、少しホッとしたというのが実感だ。
 というのも、これが無差別的な強盗殺人であれば予防のしようが無いが、上述の様な原因なら、日頃使用人や運転手を起用する際の対応に留意すれば良いと言うことになるからだ。
 地域的に危険とかいう事ではない。


 ・・・因みに、事件発生宅は、僕の今住んでいる場所と番地違いである。
by bharat | 2006-09-25 10:30 | ふと思うこと
終わりなきテロ (9月8日マレガオン)
9・11、テロについてインドで考える

 9月11日は、言わずと知れた2001年米国同時多発テロ発生の日。

 あの日以降、テロは世界各国で猛威を振るっている。
 それは、ここインドも例外では無く、というか、むしろ英米の次にターゲットになっている国なのかも知れない。
 昨年10月のデリー同時爆破テロを皮切りに、一定の間隔を空けて、コンスタントにインド国内で爆破事件が発生している。

 最近の記憶に新しいのは、今年7月12日に発生したムンバイの通勤列車爆破事件
 最終的に、死者は200名を超え、負傷者は700余名にのぼった。

 日本の報道には無いだろうが、9月8日にまた1件発生した。
 場所は、マレガオン(Malegaon)。
 ムンバイのあるマハラシュトラ州ナースィクの近郊だ。
 死者は分っているだけで31名、多くが子供だったという。
 爆破場所はモスク、つまりイスラム教礼拝堂の近くだった。


 最近のインドのテロの傾向として、少し不安になるのは、発生場所が段々ランダムになってきている点。
 このマレガオンの爆破や4月14日のデリー市内ジャミ・マスジッド爆破事件など、イスラム教徒の活動拠点でも事件が起きていて、事態が混乱してきつつある。

 我々として、せめて注意出来ることといえば、国の行事や宗教的祝い事の場になるべく行かない、というくらい。
 人口11億人のインドにあって、海外安全情報の「人の集まる場所に近づかない」はハッキリ言って不可能に近いが、気をつけるに越したことは無い。

 しかし、犯人や理由はまだ確定していないが、もしこの一連の事件が宗教的な理由に端を発するものだとしたら、多神教で教義が比較的寛容なヒンドゥー教徒には大凡理解出来ない行動だろう。
 また、彼らには分離独立や1980年代の宗教紛争の苦い経験が頭にある。
 皆、あんな事、2度としたくないと思っているにちがいない・・・。

日々の生活にも弊害が・・・

 一連のテロ騒ぎの結果、我々日本人(特に駐在員)の生活にも多大な弊害が。

 それは、インド国内の移動に欠かせない飛行機のセキュリティーチェックだ。
 デリー、ムンバイの爆破事件以降、それなりにタイトなチェックになったが、先般の英国でのテロ未遂以降、警戒レベルが一気にジャンプアップ。
 まず、機内持込荷物が1つに。これには女性用の小さなポーチ等も含まれる。
 身に着けるモノも徹底的にチェックされる。サイフの中身、名刺ケースの中は勿論、携帯電話の通話チェック、デジカメの作動チェックまで要求された空港もあった。
 極めつけは、医薬品類。塗り薬はNGだし、錠剤もNG。医師の処方箋を持っていればOKとのことだが、日本から持ってきた下痢止めや保湿剤などにそんなモノが付いている訳が無い・・・ということで持込不可。
 歯磨き粉もNG・・・宿泊先で調達するしかなくなってしまった。


 最近、若干緩和されつつあるが、地方の軍事・民間兼用みたいな空港では、未だ厳重な警戒態勢が敷かれている。

 困ったモンだが、インド正月(10月下旬)までは、警戒レベルが下がることは無いだろう。
by bharat | 2006-09-11 10:30 | ふと思うこと
7月11日 ムンバイで同時爆破事件発生!

 7月11日夕方、ムンバイ市内で同時爆破テロが発生した。
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e0074199_7321244.jpg 帰宅通勤者を満載した列車を狙ったこの事件で、多数の死傷者が発生した。
 ムンバイの地形は海に沿って南北に長い。
 北から南に通勤する人々が利用する列車に設置された爆弾が、18時24分から31分の短時間に7箇所で爆発した。

死者は200名以上、負傷者数百名という大惨事となった・・・。
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 後日、ラシュカール・エ・クァッハル(Lashkar-e-Qahhar)なる組織が犯行声明を出した。ムンバイ国際空港とタージ・マハールの爆破も計画していたらしい。
 ラシュカール・エ・クァッハル自体は無名なのだが、ラシュカル=エ=タイバ(Lashkar-e-Taiba、LeTと略されることも、アル・カイーダとも接触を持つ最も危険なインドのナクサライト組織)の別働部隊とも見方もあるようだ。

 インドには、2種のテロがある。
 イスラム原理主義者らによる無差別テロとナクサライトだ。ナクサライトは、極左思想に基づき、少数部族の自治確立、部族民及び低カースト層の利益擁護を掲げて武力闘争を行う過激派グループの総称で、インドでは、カシミールの分離独立を目指すLeTや、毛沢東主義派(マオリスト)などが有名。
 ナクサライトが厄介なのは、無差別テロと違い、ナクサライトが民族運動に根ざしており徹底殲滅が困難なこと。
 因みに、2005年10月29日のデリー同時爆破テロはLeTの犯行であることが判明した。

 パキスタン大震災以降、イン・パキ間の物資援助ルートの開放によって、パキスタンの不穏分子が多くインドに侵入したと言われる。
 彼が、北インドの独立運動を再燃しようと暗躍しているのだろうか・・・。
 
 インドは1年の後半に祝祭日が多い。
 8月15日の独立記念日、10月2日のガンディー誕生日、10月21日のディワリなどなど。
 このあたりには、あまり出歩かないなどの注意が必要か・・・。
by bharat | 2006-07-17 10:30 | ふと思うこと
分からん・・・インドの祝祭日の考え方。

 現在、現地時間の19時を過ぎたところ。

 今頃気が付いたのだが、本日4月6日はインドの祝日だったらしい。

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 「ラーマナワミ」・・・ヒンドゥー教の神様の1人、ラーマ神のバースデー(画像は、部下の猿神ハヌマーンと抱き合うラーマ神)。
 ラーマ神の生誕地と言われているアヨーディヤでは、盛大な祭りが執り行われるみたいだが、ここデリーは何事も無かった。少なくとも、僕の周辺では、ごく普通に1日が過ぎていった。朝からヒンディー語のクラスに行き、普通にインド飯を食い、売店でコーラを買込み、夕方家路に着いた。
 ガッコ(個人授業の塾)も空いていれば、レストランも営業中、売店も通常通りやっていた。

 インドに来る前は、色々な宗教が入り乱れていて、さぞ祝祭日が多いのだろうと、ちょっとウクウキしていたのだが、実際来て見ると、その殆どがオプショナル・ホリデー・・・要は関係あるヒトだけ休む制度を採っているみたいだ。カレンダーも、宗教ごとに赤い数字(休日)が異なる。
 みんながこぞって休むのは、共和国記念日(1月26日)、ホーリー(3月)、独立記念日(8月15日)、ディワリ(インド正月、11月)くらいなもんだ。

 共通の休みは少ないし、みんな宗教ごとに休む・・・ややこしいだけでは・・・?

 まぁでも、何千人といるヒンドゥーの神様の誕生日をいちいち休日にしてたら、1年のうち殆ど休みになっちゃうか。
by bharat | 2006-04-06 23:10 | ふと思うこと
ホーリー前のテロ
 日本ではあまり大きく報じられていないかも知れないが、3月7日、ヴァラナシで同時テロが発生した。
 8日新聞報道の時点では、16名が死亡、数十人が怪我をする大惨事である。

防ぎようが無い!?

 今回も、時期としては昨年10月のデリー同時テロと似ている。
 デリーのそれは、ディワリという大きな祭りの直前にあたり、大きな不安を掻き立てたが、今回も3月15日のホーリー祭を前にしての犯行である。
 加えて、ヒンドゥーの聖地ヴァラナシで起きたこと、2箇所の爆発地の1つがヒンドゥー寺院であること(もう一方は鉄道駅)などから、当地ではかなりの衝撃として報道された。

 テロ発生日夜、ヴァラナシの多くの寺院では、没者に祈りが捧げられたという。

 NHKの海外安全情報などでは、きっと「滞在者に注意を呼びかける」のであろうが、当地に滞在している身としては、ハッキリ言って対応のしようが無い。自宅に引きこもっていては仕方が無いし、日々の買物にだって出かけざるを得ない。強いて言えば、15日のホーリー祭は、大人しくしているという位か・・・。
 

傾向と対策
 2001年から、この種のテロが1年に数回の頻度で発生しているが、同じ場所で発生したことは殆ど無い。

2001年12月13日
 デリー:首相官邸襲撃される、12名死亡(うち警官6名、テロリスト5名)
2002年1月22日
 コルカタ:アメリカンセンター、4名死亡
2002年3月30日
 ジャンムー:ラグナート寺院、7名死亡
2002年9月24日
 グジャラート:アクシャルダーム寺院襲撃、35名死亡
2003年8月23日
 ムンバイ:2箇所同時爆破、52名死亡
2005年10月29日
 デリー:3箇所同時爆破、67名死亡
2005年12月28日
 バンガロール:学会を襲撃、1名死亡


 こうしてみると、やはり大都市では大きな市場が、地方では由緒深いヒンドゥー寺院が襲撃されているように思える。
 注意して行動するようにしなければ。
by bharat | 2006-03-10 14:46 | ふと思うこと