カテゴリ:ふと思うこと( 43 )
10月29日夕刻、デリー市内にて同時爆破テロ発生

 昨日、デリー市内3箇所で同時爆破テロが発生した。

 今日(10月30日)は、午前中にブラブラとデリー観光でもと思っていたのだが、朝から現地TVニュースに釘付けである。e0074199_15301953.jpg







テロ概要

 ニュースによれば、テロが起きたのは以下の3箇所。

① パハルガンジ(Paharganj)
 旧市街(所謂オールド・デリー)地域で、現地人の中~低所得者たちの住宅街が多く存在。
 鉄道の駅も近くて、安宿も多いので、外国人バックパッカーたちの溜まり場になっている場所も多数ある。

② サロジニ・マーケット(Sarojini Market)
 デリーのやや南に位置する、大きな市場。
 生地製品や雑貨を扱う小規模店舗が乱立する典型的なインドの市場で、金額の安さ(ガイジン向けマーケットではないので)からいつも多くの人でゴッタ返している。

③ オクラ(Okhla)
 工業地域らしいが、詳しいことは知らない・・・。

 上記3箇所で10月29日17:00~18:00にかけて、爆発が発生。
 今朝のニュースの段階では、死者49名、負傷者114名。


テロ発生時の環境

 インドでは、10月末~11月初旬にかけて、ディワリあるいはディープワーリー(Diwali/Deepavali)というインド最大のお祭りが行われる。
 具体的日程は年によって異なるが、今年は11月1日に実施される。

 この時期、人々は自宅や商店を電飾で装飾し、爆竹や花火を付けたり、ロウソクに火を灯したりして、銘々にお祝いをする。

 町中がこんな状況だから、昨日、怪しい物体にライターで火を付けてようが、全然怪しまれないわけだ。政府系の重要な建造物ぢゃなくて、一般的な市街地でテロがあったのは、そのせいだろうと思われる。

 実は、今年8月15日のインド独立記念日、インド政府はテロに相当警戒していた。
 それが杞憂に終わったと思っていた矢先の今回のテロ。
 暫くは、市内の警備が厳重になりそぉだ。


スーパー・ポジティブ

 こんな事件でさぞディワリにも暗い影響があるのではと勝手に心配する僕に、たった今インド人友達からメールが。

  「昨日の事件は大変だったね。君も気をつけてね。
   ハッピー・ディワリ!!」


 ・・・なんだろ、この超楽観主義・・・。
 まぁ、僕もかなりこの類の思考回路があるので、気持ちは分からんでも無いが・・・。
by bharat | 2005-10-30 11:18 | ふと思うこと
カースト カースト カースト

インドを語る上で、避けて通れない話題 「カースト」 。
インドに来て約3ヶ月、日々の生活に垣間見られる「カースト」の名残について思うこと・・・


カーストとは?

 ヒンドゥー教の基本概念である、「輪廻転生」「浄・不浄」の概念から生まれた社会構造。
 ヒンドゥー教では、現世で、ダルマ(戒律)を遵守して生きた人間は来世でより良い環境に生まれ変わることが出来るとしていて、現世社会をたくさんの階層に区切って自分のポジションを明確化した。
 これが、カーストで、我々が世界史で勉強したのは、有名な4区分、「バラモン(ブラーミン):僧侶」「クシャトリア(クシャットゥリ):戦士」「バイシャ(ヴァイシャ):商人」「スードラ(シュードゥラ):農民」。上のカーストに行くほど、「浄」つまり清らかでケガレていないことになり、スードラの下には「不可触賎民:untouchable」と言われる人たちがいて、最もケガレていると見做されている。

 上記身分区分は正確にはヴァルナと言われていて、これを細分化したものがカースト。
 カーストの種類は3000くらいあると言われているけど、インド人も正確な数字を知らないみたい。
 語源は意外にもポルトガル語。もともとインドでジャーティと言っていたんだけど、16世紀にインドに進出したポルトガルがこの言葉を母国語カスタ(階級)にあてて、それがなまってカーストになった。

 各カースト(本当はヴァルナだが、カーストで統一して書きます)は、相容れない社会構造を確立して、1947年のインド独立時にカースト廃止、49年に不可触賎民撤廃が制定されたにも関わらず、その名残はず~っと残存し、今でもインド人のマインドはこの概念が前提になっているようだ(このへんは後述します)。
 因みに、49年以降、不可触賎民を指定カースト、上の4つのカーストをヒンドゥーカーストと言うことにしている。




それって、身分区別を助長しただけじゃ・・・?

 インド独立以降も、法でカースト撤廃が決められたのちも、何千年も続いた考え方が突然変わる訳は無いし、何より全人口の8割以上が信仰するヒンドゥー教の基本概念がバックにあるんだから、急に一元構造の社会になる訳が無い。
 何より、就いている職業でカーストが分かってしまうし(例えば清掃屋さん、アイロン屋さん、屍体処理員、皮革製品作業員などは低カーストの人たちしかしない)、自分の苗字でカーストが分かってしまうんだから、「この人は、自分より上の人だ/下の人だ」と言う感覚は全然無くなって行かない。

 また、中途半端なことに、指定カーストの人たちのために、政府はリザーブシステムというのを作った。
 これは、指定カーストの人たちが、今まで高カーストの人たちしか付けなかった職(政治家・教員など)に就ける様、また教育レベルの高い学校に行ける様、一定の枠を設けて優先的に就職・通学出来る様にした。
 ただ、これって、指定カースト出身者からすると「私は指定カースト出身です」って言ってるようなものだし、ヒンドゥーカースト出身者からすると「あいつは能力も無いのに指定カースト枠の恩恵で自分と同じポジションに来やがった」ということになるわけで、返ってカーストの上下を思いっきりビジュアル化しているだけな気がするんだよね。


インドでのガンジー人気はイマイチ!?
e0074199_1654538.gif

 インド独立運動に貢献し、日本でも御馴染みの、マハトマ・ガンジー。
 
 彼は、インド独立に際してカースト制度のあり方についても当然考えていたんだが、その行動が故に、インドでは驚くほど人気が無い。

 彼は、アフリカでの体験などをもとに、インドがイギリスの手を離れ、カースト制度の弊害を捨て去り、真の独立国家となることを目指して活動を展開した。ガンジーの伝記ぢゃないから、活動内容の詳細には触れないよ。

 その後、カーストの上下に関係無くイギリスからの独立運動が各地で激化するが、だんだん独立をスムーズに行う為に、政治力・金銭力のある人たちの協力が不可欠であることが分かってくる。彼らの大半は、バラモン・クシャトリア出身だったので、結局ガンジーは最終段階では、声高にカースト制度廃止を叫ばなくなっていった。

 この政治的融和が、インド人にはとても弱腰に映るらしく、「ガンジーがもっと強硬に進めていたら、今の社会構造ももっと違っていたのに」という感想を持つインド人がとても多い。

 彼が行った、不可触賎民への就職斡旋などは評価に値するが、結局上位カーストの反発を考慮してストレートにカースト廃止を言えなかった彼は、不可触賎民を「神の子=ハリジャン」(※K-1の山本キッドぢゃ無いよ)と呼び直し、差別は無くしたいが、区別はするという格好を採った。
 元不可触賎民の中には、この「神の子」の表現がモノ凄い皮肉に聞こえるらしく、そう呼ばれるのをとてもイヤがる人もいる。


 反面、日本では余り馴染みが無いが、スバス・チャンドラ・ボースやバガット・シンなど、過激な反英運動を行った人たちの人気が非常に高く、バガット・シンについては何度も映画化されている。数年前に1回イギリス人が作った映画「ガンジー」がキレイに纏まっているので話題になったのと比べると、やはり歴然の差だ。ボースについては、最近のマンガかわぐちかいじ作「ジパング」に登場しているね。マンガの中で出てくる彼はかなり気骨のある人物に描かれている。

ボース
e0074199_16334725.jpg


バガット・シン(のDVD)
e0074199_163876.jpg



こんなところにもカーストが・・・

 こちら首都デリーでは、みんな雑多な社会で生活しているから、一見カースト社会から脱却しているようにも見えるが、さにあらず。


 前にも書いた通り、僕は現在JNU(ジャワハルラール・ネルー大学)で1年間だけ学生をしているんだけど、この入学申請手続などにも、カーストの縛りがロコツに出てくる。

 まず、入学申請のフォーム。
 僕は外国人用の用紙を貰ったから気づかなかったんだけど、インド人用の用紙にはカーストを書く欄が設けられていて、それに記入しなければならない。なんでもそれを書かないと、指定カーストかどうか判断出来ず、大学側が特別措置を採れないからだと言う。大学が指定カースト者に対して採らねばならない特別措置とは、一定の枠内で優先的に入学させる、学生寮に優先的に入寮させる、などなど。
 そんなことをするから、入学後、遅かれ早かれ、生徒の間でも誰がどのカーストなのか分かっちゃう。

 成績発表のやり方も結構強烈だ。
 学校が始まってすぐに、クラスに時間割を確認しようと、学部の掲示板を見たら、まだ前学期の成績発表が貼ってあった。
 どんな風なのかなぁと目を通したら・・・名前のあとに、なんとカースト名が記されてる!!
 よ~く見ると、カーストごとに別の紙になってる・・・。
 あとから周りの連中に聞いたら(彼らはヒンドゥーカーストだったが)、「当たり前ぢゃない、なんで同じ紙に並んで書かれなきゃならないの?」とバッサリ。
 習慣化されていて、何の違和感も感じていないようだった。


 首都の一流大学でさえ、こんななんだから、農村部はもっと凄いんだろうな・・・

 (その後農村に行く機会があった。詳しくはこちら)
by bharat | 2005-09-01 15:04 | ふと思うこと
インドの交通事情
 インドに来てまずビックリしたのが、交通事情だ。
 日本と共通しているのは左側通行という基本ルールが存在することくらいで、見るもの全てが笑えてしまう。

車線無視
 まず、道路に車線が引いてあるが誰も守らない。
従って、3車線道路も常に4~5列の車列が出来る。
このギッシリ詰まった幅いっぱいの列を、トラック、バス、商用車、普通車、軽自動車、オートリクシャー(オート3輪タクシー、以下オート)、自転車、手押し車(アイス屋さんなど)、馬車などが縦横無尽に突っ走る。
(Delhiを離れると、この他にラクダ、象、牛車、ロバも加わる。)

 これらが、牛、取締用の柵などを避けながら走り、speed breaker(減速させるためのbump)の直前に急ブレーキをかけ、ロータリーで各方面に舵を切るもんだから、さながらゲーセンのレーシングゲームのようなスリリングな展開になっている。



佐藤琢磨ばりのオーバーテイク
 左側が走行車線、右側が追越車線という原則は一応浸透しているようで、速度の速い車がクラクション・パッシングを繰り返しながら右へ右へと車線を変更しながら爆走している。
こちらの人たちは、この追越行為を何よりの快感に感じているのか、兎に角前の車を抜きたがる。
対向車線にハミ出そうが、前方の信号が赤だろうが兎に角オーバーテイクを仕掛ける。
おまけに信号待ちの状態でも車幅の狭い2輪やオートが前へ前へと車間を縫ってポジションを上げていく。

 このような事情だから、各車少しでも車幅が狭い方が有利な訳で、オートはサイドミラーを内側に装着しているし、乗用車はサイドミラーをたたんでいる(もしくは最初から付いていない)。
 但し、バスだけは例外で、相手が避けることを前提として減速せずに突進してくる。
 なんでもバスには公営(黄色)と私営(緑色)の2種があり、後者が各ドライバーに実車率ベースの歩合給与制を敷いているとのことで、早く多くの乗客を捕まえたいらしい。

 また、こちらでの赤信号は「止まれ」では無く、「注意しながら進め」。
 対向車線の交通量が余程多いか、警官が立っていない限り、赤信号で停止している車はいない。
 従って、自分が歩行者として道を横断する場合は、あり得ない方向から車が突っ込んでくる可能性があるので、細心の注意が必要だ。


最大積載人数は・・・
 車やオートの最大積載人数が決まっていないのか、たまに、上海雑技団ばりの乗用をしている車、オートを見かける。
 現在の最高記録はマルチスズキのZEN(800ccくらいで日本なら
Max5人乗りか)に11人、オートに8人乗っているのを見た。


ノーヘルOKな人たち
e0074199_15485555.jpg また、インドならではの宗教上の事情もある。
 スィク教徒は殆ど皆ターバンを頭に巻いているが、通常これを人前で取ることは無い。
 なので、バイクに乗るときも彼らはノーヘルで運転することを認められている。
 信号待ちしているバイクの中に、ターバンを巻いて立派な髭をたくわえながら悠然と構えている彼らを見れるのは、ここインドだけだろう。

by bharat | 2005-07-15 03:38 | ふと思うこと