タグ:住居 ( 3 ) タグの人気記事
必殺! ソファ職人!!

 先日、何回掃除しても綺麗にならないソファを、思い切ってリフォームした。
 これが、実に見事というか、独特というか・・・。
 その作業風景をレポート。

日本には無い長尺ソファ

 今の家に住み始めて間もなく、会社の倉庫に眠っていたソファを家に持ってきた。
 広い倉庫にあったときは、特に気付かなかったんだが、家に運んでもらって驚いた。

e0074199_5184860.jpg ・・・日本ではまず見ない、4シーターなのだ。
 長さはゆうに2メートルを越えており、とにかく取り回しが大変。

 まず家への搬入が一大事だった。
 僕の家は、2nd floor(日本で言う3階)なのだが、建物が古いせいか、階段が狭い。ズン胴のソファを、螺旋のような階段で3階まで引き上げるのは相当苦労した。今でも、階段周囲の壁には無数のこすり傷が付いている。


 で、暫くはこのソファを使っていたのだが、どうも中にたまった埃がすごくて、不快指数が下がらないので、当社総務に事情を相談したところ、「リフォームしてはどうですか?」と言われた。
 日本で家具のリフォームというと、僕の世代ではピンと来ないのだが、こちらインドでは家具のリフォームはごく当たり前なのだと言う。手順は次の通り。

①まず、家具屋(ソファ生地屋)で生地を選ぶ。

②店員に家に来てもらい、寸法を計測して貰って、見積を作成して貰う。
  この見積で、大雑把な金額・必要生地量が分かる。

③出張リフォーム部隊の来訪日時を決定する。
 丸1日必要。


e0074199_6591299.jpg とある晴れた日の11時、出張ソファ職人ラムジ氏とその一味たちがやってきた。写真右端のラムジ氏・・・年の頃は30歳中盤くらい、妻子持ち、趣味はクリケット観戦といったところか。部下の2人は若く、まだ駆け出しみたいな風貌。

e0074199_414965.jpgラムジ氏を玄関に招きいれ、靴を脱いでもらう。
 ラムジ氏の足からは、くさやとドリアンをブレンドしたようなかほりが全開だったが、笑顔で話しかけてきたので、こちらも精一杯の笑顔で応じる・・・しかし、すごいかほりだ。

e0074199_4172420.jpg 作業には膨大な場所を必要とするらしく、居間のテレビ以外の殆ど物は矯正撤去を命じられた。空いた床に職人道具をばら撒いてから、作業開始。時計は12時10分前を指していた。


 まずは、本体部分の表面をはがしていく。
 丁寧に、かつ大胆に。引っこ抜いたクギは、そこらじゅうに飛び跳ねていくが、御構い無しだ。Lの字、Uの字になったクギが、とめどなく床に散乱していく。
 作業が波に乗ってきたな~と思っていたら、ラムジ氏が突然召集をかけて、3人で二言三言。
 で、笑顔で俺に向かって、

   「サー、俺たち昼メシ行って来るさ~♪」

 え゛・・・まだ作業始めて1時間も経ってないけど。
 まぁ、今日中にちゃんと終わるなら、自分たちのペースで進めていいけど・・・早めの昼メシ食ってから午後来てくれた方が・・・まぁ深く考えるのは止そう。

e0074199_5292367.jpg 御手伝いさんが、裸足で床のクギを掃除し始めた・・・危ない思いをさせてごめんよ。でも、悪いのは僕ぢゃなくて、ラムジとその一味なんだよ。
 ふと思い出したが、こちらの人たちは、思いも寄らぬ軽装で色んな作業を行う。まず、素手で揚物。グツグツの油の鍋から素手で揚物をひょうひょい取出すのだ・・・Mr.マリックより遥かにハンドパワーである。道路の舗装工事もビックリした。アツアツのアスファルトの上を15ルピーのゴム草履を履いたおじちゃんがならしていく。ならしているそばから、草履がガムみたいにネチャ~っと伸びていた・・・。

e0074199_530821.jpg さて、御手伝いさんのクギ掃除も早々に終わり、僕ら2人が部屋に佇むこと約1時間半。
 満腹の3匹が笑顔で帰ってきた。
 作業再開。


e0074199_5302211.jpg クッションの表面をはがしたあと、本体部分に張り付ける新しい布(黒い合皮)をチョキチョキ切って、張っていく。作業はチンタラやるくせに、手先は実に器用で丁寧。なかなかやるな~、ラムジ部下その1~。


 ちょっと、別の部屋で勉強などしていると、居間の方からズズズっと飲み物をすする音が聞こえてきた・・・。

   ???

 何だろうと思って、居間に戻ると、3人が茶をしばいていた。

   「ラムジ氏、その茶はどこから?」

   「サー、下のヒトに頼んで入れてもらったんでさぁ」

 ふぅん、下のヒト・・・・ってコラァ!
 うちの大家ぢゃないか!
 勝手に頼むなよ・・・・このオッサン。

 しかし・・・昼食後、作業再開から1時間でまた休憩かよ。
 ラムジよ、いつになったら職人芸を披露してくれるんだ?


e0074199_613249.jpg 出番は意外に早く訪れた。
 クッションのウレタンを新しいものに取り替えた後、いよいよソファ職人ラムジ氏が出てきた。
 年季の入ったミシンを器用に操りながら、新しい布でそのクッションにぴったり合うカバーを裁断・縫製していく。この間、彼は物差し・巻尺の類を殆ど使わない・・・自分の手を定規代わりにして、器用に採寸していた。カバーの出来は、恐ろしい程精緻で、ピンと張った状態でクッションを覆っていく。
e0074199_6174141.jpg 全てのクッションに新しいカバーを被せると、本体部分の最終仕上げに入る。Gパン用の裁縫針みたいなのを駆使して、隅々を縫い合わせていく。


 午後8時・・・ついに新生ソファが完成。e0074199_6185535.jpge0074199_619980.jpg




 素晴らしい出来栄えだ☆
 個人的にはかなり満足。


 ここに、総工費数千ルピー、製作時間8時間(うち休憩時間2時間半)の一大スペクタクルが終わったのだった。
by bharat | 2006-02-01 10:11 | ふと思うこと
デリー2 工芸博物館

目立たないが、中身は・・・

 デリー市内東部にある、プラーナー・キラーと向かい合うようにして、ひっそりと建っている工芸博物館(Craft Museum)。
e0074199_3192585.jpg入口に守衛がいるが、そのまま何事も無く入れてくれる。なにせ「入場料タダ」だから。



 トンネルをくぐると、正面にいきなり土産物屋が。
 中には、南部インドの鉄細工や、ラージャスターン(Rajasthan)州の操り人形、アッサム(Assam)州のランプなど、各地の工芸品がズラッと並ぶ。見ていてとても楽しいのは勿論だが、何より価格がとても良心的。ハッキリ言って、コンノートプレース(デリー北部の中心地で各州の物産店などが並ぶ地域)やデリーハット(デリー南東部の物産品市場)より安い気がした。


e0074199_3342515.jpg 博物館入口を目指して進むと、高さ3~4mはあろうかという巨大な壷が陳列されている。
 説明書きは一切無いので、これが何なのか、何の為にここに置いてあるのかは不明。
 インドでは、こういった状況に良く出くわす。歴史的史跡・珍しい展示物があっても、十分な説明を記載した看板をあまり見ない・・・現地の人々はあまり知りたいと思わないのだろうか・・・。こんな状況だから、旅先で詳しくその土地を知りたいときにはガイドは必須だ(ウサン臭いガイドにあたらないことを祈りつつ)。



e0074199_3342620.jpg また、その右隣には、昔の祭事場を模した空間がある。土偶や燭台などが置かれていた。


e0074199_3384829.jpge0074199_3382465.jpg 博物館内部は、地域やテーマ別に展示物が並ぶ。
 人形を集めたコーナーには、操り人形、土人形などが陳列されている。中には、NHK人形劇「三国志」に出てきそうな中国タッチの人形もあった。


e0074199_3475074.jpge0074199_3472669.jpg 「カルト」と分類されたコーナーには、ヒンドゥー教にまつわる木製彫刻(写真は10個の頭を持つ悪魔ラーヴァナ)や南部インドのものと思われる獣神の彫刻がある。獣神の方は、チンチンがやけにリアルなんだが、男根崇拝思想に基づいているのだろうか・・・。


e0074199_3492134.jpge0074199_3484477.jpg 中庭に出ると、巨大な神輿が!
 車の上にある物体の屋根部分がヒンドゥー寺院のそれとソックリなので、まさに日本の神輿と同様の機能を果たしたものなのか?(説明書きの看板ナシ)
 館内を更に奥に進むと、昔の建築物の遺構がそのまま保存してある。左右対称の多角形はイスラム建築の、ピラー(出窓下部と壁面との接点部分に施した装飾)はヒンディー建築の影響と推測される。


e0074199_3551288.jpg 館を出て敷地を奥に行くと、「Village Complex」と呼ばれるインド各地の村の住居を再現した一角がある。
 幸いなことに、これには説明書きがされていて、どの住居がどの地域のものか判別出来た。



グジャラート(Gujarat)州の住居
e0074199_4215856.jpge0074199_4212970.jpg Mehr Hutと呼ばれる住居は、しっくい壁に玄関口のタイル細工が特徴。
 Banni Hutと呼ばれるものは、レンガ+藁の作りで、砂漠の風を良く防いだという。



オリッサ(Orissa)州の住居
e0074199_4225418.jpg Gadaba Hutと呼ばれるこの住居の特徴は、木を組んで骨組みを作り、その木にカラフルな色付けを行っている点で、台所は建物の外部に設置されている。



マッディヤ・プラデーシュ(Madhya Pradesh)州の住居
e0074199_4232447.jpg Gond Hutと呼ばれるこのタイプは、各住居の境目をしっくい+茅葺の壁で仕切っているのが特徴的。



ニコバル島(Nicobar Islands)の住居
e0074199_4234510.jpg 住居というか、柱と屋根だけ・・・。



アルナーチャル・プラデーシュ(Arnachal Pradesh)州の住居
e0074199_4241821.jpg 高床式でバルコニー(柵は竹製)を持つこの住居は、Adi Hutと呼ばれる。



アッサム(Assam)州の住居
e0074199_425075.jpg 低温多湿、雨の多い地域性から、Rabha Hutと呼ばれるこの住居は湿気に強い竹で出来ている。



ヒマーチャル・プラデーシュ(Himachal Pradesh)
e0074199_4244066.jpg Kulu Hutと呼ばれるこの住居は、山岳地域が多い地域特性により、特異な形をしている。1階部分は石で組まれ、2階部分は木製。



謎の土産物
e0074199_4192467.jpge0074199_4195289.jpg Village Complex内に、工芸品屋が並んでいたが、マンガ的なデザインの素焼きを発見。何だろうと思ったら、実態は屋根瓦のパーツらしい。1体80ルピーで、サルの親子を購入。




見学を終えて

 本を読んで、インド国内の気候・地域特性が違うのは知っていたが、その土地土地の住居をビジュアルで確認すると、改めてその違いの大きさに驚かされる。
 また、同じインド内でも農耕民族系と狩猟民族系が並存しているのも良く分かって、とても面白い。
 ガイドブックでは大きく取り上げられていないこの博物館、個人的には結構オススメ。
by bharat | 2005-10-25 10:30 | デリー市内あれこれ
生活拠点決定!
自宅探し

 6月26日にデリー入りして、ホテルに入ったんだけど、会社の規定で宿泊費が最大4日間分しか出ないので、27日から早速家探しをすることになった。

 幸い、当社総務のスタッフが色々な物件情報を揃えてくれていて、それらを手当たり次第に見て回ることにした。
 一応、家賃(月額)の上限を20,000ルピー(日本円で50,000円くらい)として、あがってきた物件ということらしかった。

 1件目。
 場所は、デリー中心から南西に5~6km行った、Anand Niketanというところ。
 3階建ての3階と2階の一部が賃貸スペースになっている、外見がとても立派な家。
e0074199_12571642.jpg

 間取りは、2LDK+バストイレ2室+トイレ1室+物置部屋2室。
 中も、とても綺麗にされていて、一瞬で気ににってしまった。
 大家さんもとても感じの良い方だった。

      「ここにするよ。」

 当社スタッフに即答したが、まぁもう1件くらい見て決めたらと言うので、もう2~3件見ることに。


 2件目。
 場所は、1件目と同じところの番地違い。
 2階建ての2階で、間取りは2LDK。

      「き・・きたないな・・・」

 内壁が汚いのと、床が埃だらけ・・・。
 綺麗に見せるとかいう、見栄は無いのかな。
 家賃が安いから、どうでもいいと思ってるのかな。

 いずれにせよ、即却下ということになった。



 3件目。
 住所も間取りももはやあまり覚えてない。
 が、部屋全体が広くて、綺麗で、居間がカーペット敷きでとても良かった。
 一点、バス・オートリクシャーの便が悪いのが欠点だった。
 僕は、通常の駐在員と違って、車が付かないから、この欠点は致命的だ。
 泣く泣く断念。




 結局、1件目の物件に決定。
 賃貸契約手続へ。
 節税対策とやらで、家賃を2等分して、一方を「賃貸契約」、もう一方を「メンテナンス契約」として締結。インドはこのやり方が常套化しているという。
 家賃・敷金を払ったが、大家さん、金額も確認せずに奥の書棚にそれをしまう。
 インド人は、金にはウルさいと聞いてたので、ちょっとビックリした。

      「金額、確認しないんですか?」
      「あなたが確認したんなら、それでいいわ。」

 あとから分かったんだが、大家さんは大変な御金持ちらしく、あんまり金の遣取りで札を数えることはしないんだという。
 こんな太っ腹なインド人もいるのか・・・一気にこの大家さんが好きになってしまった。




 さ、家も決まったし、居住者登録しないと。
by bharat | 2005-07-10 00:00 | インド生活