インドの交通事情
 インドに来てまずビックリしたのが、交通事情だ。
 日本と共通しているのは左側通行という基本ルールが存在することくらいで、見るもの全てが笑えてしまう。

車線無視
 まず、道路に車線が引いてあるが誰も守らない。
従って、3車線道路も常に4~5列の車列が出来る。
このギッシリ詰まった幅いっぱいの列を、トラック、バス、商用車、普通車、軽自動車、オートリクシャー(オート3輪タクシー、以下オート)、自転車、手押し車(アイス屋さんなど)、馬車などが縦横無尽に突っ走る。
(Delhiを離れると、この他にラクダ、象、牛車、ロバも加わる。)

 これらが、牛、取締用の柵などを避けながら走り、speed breaker(減速させるためのbump)の直前に急ブレーキをかけ、ロータリーで各方面に舵を切るもんだから、さながらゲーセンのレーシングゲームのようなスリリングな展開になっている。



佐藤琢磨ばりのオーバーテイク
 左側が走行車線、右側が追越車線という原則は一応浸透しているようで、速度の速い車がクラクション・パッシングを繰り返しながら右へ右へと車線を変更しながら爆走している。
こちらの人たちは、この追越行為を何よりの快感に感じているのか、兎に角前の車を抜きたがる。
対向車線にハミ出そうが、前方の信号が赤だろうが兎に角オーバーテイクを仕掛ける。
おまけに信号待ちの状態でも車幅の狭い2輪やオートが前へ前へと車間を縫ってポジションを上げていく。

 このような事情だから、各車少しでも車幅が狭い方が有利な訳で、オートはサイドミラーを内側に装着しているし、乗用車はサイドミラーをたたんでいる(もしくは最初から付いていない)。
 但し、バスだけは例外で、相手が避けることを前提として減速せずに突進してくる。
 なんでもバスには公営(黄色)と私営(緑色)の2種があり、後者が各ドライバーに実車率ベースの歩合給与制を敷いているとのことで、早く多くの乗客を捕まえたいらしい。

 また、こちらでの赤信号は「止まれ」では無く、「注意しながら進め」。
 対向車線の交通量が余程多いか、警官が立っていない限り、赤信号で停止している車はいない。
 従って、自分が歩行者として道を横断する場合は、あり得ない方向から車が突っ込んでくる可能性があるので、細心の注意が必要だ。


最大積載人数は・・・
 車やオートの最大積載人数が決まっていないのか、たまに、上海雑技団ばりの乗用をしている車、オートを見かける。
 現在の最高記録はマルチスズキのZEN(800ccくらいで日本なら
Max5人乗りか)に11人、オートに8人乗っているのを見た。


ノーヘルOKな人たち
インドの交通事情_e0074199_15485555.jpg また、インドならではの宗教上の事情もある。
 スィク教徒は殆ど皆ターバンを頭に巻いているが、通常これを人前で取ることは無い。
 なので、バイクに乗るときも彼らはノーヘルで運転することを認められている。
 信号待ちしているバイクの中に、ターバンを巻いて立派な髭をたくわえながら悠然と構えている彼らを見れるのは、ここインドだけだろう。

by bharat | 2005-07-15 03:38 | ふと思うこと