第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ
 デリーから南東約110km、国道8号線をジャイプール方面に進む。
 ハリヤナ(Haryana)州からラージャスターン(Rajasthan)州に入ってすぐ、右側にこんもりした丘が見えてくる。
 ニムラナ(Nimurana、Neemranaとも)だ。


工業促進の急先鋒
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_693030.jpg デリーの急速な発展に伴って、近郊地域も発展している。その代表格は、デリーの東ウッタル・プラデーシュ州のノイダ(Noida)や西のハリヤナ州のグルガオン(Gurgaon)、マネサール(Manesar)だが、更にその先に位置するこのニムラナも、最近工業化に名乗りを挙げている。
 JETRO(日本貿易振興機構)も、RIICO(Rajasthan state Industrial Development & Investment Corporation Ltd.)と協業して、この地の工業化を進めようとしている。

要塞宮殿ニムラナ
 最近の工業化も、地元の景観を損ねる程ではない。
 丘陵地のふもとには、今ものんびりとした村落があり、動物と村民が渾然一体となって質素な生活をしている。
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_6464033.jpg と、丘陵の中腹に、一際目立つ要塞が。
 この要塞、その名もNeemrana(Nimurana)要塞。
 1464年に建てられた。
 建てたのは、チャウハン(Chauhan)家で、彼らは元々デリー一帯を守るヒンドゥー教の王だったが、プリスヴィラージ・チャウハン(Prithviraj Chauhan)が1192年にイスラム教系の王マフマド・ゴーリ(Mahmud Ghauri)に敗れると、デリーを離れてこのニムラナに落ち延びていた。
 全くの余談だが、この歴史上の出来事にちなんで、インド・パキスタンのミサイルの名が付けられている。インドが1997年、プリトヴィ(Prithvi、大地)と呼ばれる短距離ミサイルをパキスタン国境近くに配備した際、これに対抗してパキスタンはGhauriなるミサイルを配備した。インドのPrithvi(Prithviraj Chauhan)にかけてこれを破ったMuhammad Ghauriの名をつけたのだ。


 その後インド独立後、この要塞(というか宮殿というか)の持ち主のマハラジャ ラジンデル・シン(Rajinder Singh)は、借金対策の一環で宮殿を手放したが、約40年放置されていた。
 復旧作業が始まったのは、1986年(左下が作業前、右下が最近の様子)。
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第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_4494133.jpg 要塞へは、ふもとの集落から狭い道を登っていく。
 この入口の標識を見逃さないように。
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_551941.jpg 車で石を埋め込んだ隘路をガタガタと進んでいくと、入口が見えてくる。
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5542814.jpg 入口を入ると、立派な土産屋さんがある。
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_564780.jpg 店では、地元産のジャム、絵葉書、食器、文房具などを売っている。


第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_583619.jpg この要塞、ホテルとして営業中なのだが、まだまだ完全復旧はしていない。
 ロバを使って、資材を搬入し・・・
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_592075.jpg 壁などを地道に修復していた。

第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5112468.jpg 写真の様に、建物も壁を修復した部分と、まだ未修復の分があり、色が違う。



宮殿ホテル ニムラナ
 1991年、かろうじて使用可能だった15室を活用して、ホテル事業が開始された。
 現在は、間取りや内装の異なる46室が宿泊用に使われている。
スイートタイプ(部屋名:グジャラート・マハル)
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_517750.jpg 間取りは狭いが、綺麗なつくりのグジャラート・マハル(Gujaratの間)。
 部屋の中心に、ダブルベッドが1つ。
 その周りに調度品が上品に配されている。
 宿泊費は、3,500ルピー(約9,100円)。
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5193923.jpg バスルームは、昔の間取りを踏襲しながらも、清潔に仕上げている。
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デラックス・スイートタイプ(部屋名:シーシュ・マハル)
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5263676.jpg 部屋が広くなるが、内装はちょっと古め。
 ベッドは、ダブルサイズとシングルベッドが1つずつ。
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5274225.jpg 宿泊費は8,000ルピー(約20,800円)と、ちと高め。


プール
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5341761.jpg第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5343980.jpg 建物群の上の方には、公共スペースがかたまっている。
 これは、プール(とそこに置いてあった置物のゾウ)。
 水浴び・日光浴には十分な大きさ。

健康施設
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5375585.jpg第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_538829.jpg プールの近くには、こんな施設も。
 アユルヴェーダ・マッサージ(インド式オイルマッサージ)に、スチームバス、・・・
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_540574.jpg第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5401795.jpg サウナやヨガ教室まで。
 全て使いこなせば、随分とリラックス出来そうだなぁ。
 因みに、ヨガ教室は7日間で13,450ルピー(約35,000円)、マッサージ等は1回400~1,600ルピー(約1,000~4,200円)。
 僕は、この方面に詳しくないのだが、相場価格なのだろうか・・・?

レストラン
第72回旅行は、知る人ぞ知る城砦の町ニムラナ_e0074199_5471896.jpg これも、プールの近くにある。
 宿泊客でなくても、食べられる。
 昼は12:30からオープン、バイキング形式で、600ルピー(約1,600円)。
 味はまぁまぁだった♪




 ・・・ラージャスターンと聞くと、デリーから結構遠い印象を受けるが、ここなら充分日帰りで行ける。都会に毒されてない雰囲気が良い感じだ。


オススメ度(100%個人主観)

   ★★★★☆ ・・・ 都会の行き届いたホテルと違った雰囲気が◎。

観光所要時間

   1~2時間
by bharat | 2006-09-16 20:50 | インドぶらり旅