第96回旅行 ドラクエの世界 レー
ここからは4回は、初のジャンムー・カシミール州。
今回は、ラダック地方の空の玄関口であるレー(Leh)。 小チベット ラダック レーがあるのは、インド最北端の州ジャンムー・カシミール(Jammu & Kashmir)。 南西部のジャンムー地方、北西部のカシミール地方と、東部のラダック(Ladakh)地方から構成されている。 西部の殆どをパキスタンと、北部・東部の殆どを中国チベット自治区と接している。 またインド独立期、ときの藩王がヒンドゥー教徒、住民の殆どがイスラム教徒だったという複雑な宗教分布により、20世紀の後半は紛争によって非常に不幸な運命を辿った地域だ。 映画のロケ地あるいは観光地としてのイメージは一気に崩れ、長らく寂れていたが、1974年以降旅行者の入域が殆どの場所で許可されたからは、再び観光業が復興してきた。 特に、州東部のラダック地方は、チベットに類似した仏教文化を色濃く残しており、雪の降らない夏季になると道路・空路が開放され、一気に観光客が雪崩れ込んでくる。 空港は、ラダック地方のレーというところで、デリー⇔レー便はRs.20,000-(概算、往復)という高さながら、早めに予約しないと取れないプレミアチケットになっている。 今回、4日間の日程でラダック地方を周遊した。 高山病に御注意! デリーから僅か1時間半のフライトだが、まず地域が地域だけにセキュリティが厳しい。 荷物をチェックインしてから、搭乗前に自分の荷物の目視確認を求められるのだ。 手荷物チェック・身体チェックもとても厳重。 離陸して程なく、飛行機の窓越しに、雪山が見えてくる。 レーは、5,000~6,000m級の山々に囲まれた高地のような場所にある。 低いように思えるが標高は3,500m、実に富士山9合目の高さと同じ標高である。 3,500mというのは、人生史上最高高度だったのだが、別に即座に酸素の薄さを感じる訳ではない。 但し、ツアーコンダクターからは、初日はゆっくり休息するようにと言われ、到着後すぐにホテルの部屋で仮眠を取った・・・なんでもこの休息がとても大事らしいのだ。 レー市街 レーの市街地はそんなに大きくないが、丁度良い大きさでとても落着く。 ふと見上げると、19世紀までラダック王族が居住していたレー王宮が見える。 今は、住居としては機能していない。 突当りにモスク(ジャマ・マスジッド)がある商店街には、チベット料理屋や骨董品屋が並ぶ。 ここで買った品々は、後日「いやげもの」コーナーで。 店名は忘れてしまったが(ヒマラヤ・カフェ・・・だったかな)、ここで食べたチベット料理が美味かった。 すいとんの入ったラーメンのような食べ物。 道端の焼肉屋さん。 塩・胡椒で味付けしたラム肉をタマネギと一緒に薄いパンにくるんで食べる。 美味。 デリー在住の皆さん、これを見よ! なんと、GOLDEN DRAGONがレーにも進出していたのだ。 字体が一緒だから、多分同じ系列と思われる。 仏教関連の観光スポット ラダック地方の住民の殆どは、チベット系仏教を信仰している。 従い、彼らの心の拠り所となる仏教施設も多い。 スピトゥク・ゴンパ(Spituk Gompa) イスラム勢力から身を守るため、要塞色の強い造りになっている(非暴力を謳う仏教なのに)。 本尊や脇の御堂には、数々の仏像が安置されている。 興味深いのは、丘の裏手にある小さな社。 ここに、死神像が無数に安置されていて、年に1度の祭りのとき以外は顔に布巾を被せているのだ。 チベット仏教においては、死神は文字通り死を司る神聖なものとして、頻繁に登場する。 シャンティ・ストゥーパ(Shanti Stupa) 妙法寺についての詳しい説明は、ラージギル旅行記参照。 真っ白のストゥーパの周囲には、降誕→降魔→転法輪→涅槃の4つの壁画が彫られており、仏陀の生涯のダイジェストが描かれている。 ナゾの祈祷師 レー郊外にある、サブー村(Saboo Village)。 ここに著名な祈祷師(Oracle)がいるというので、訪問した。 一家団欒スタイルで生活しているらしく、かわいい女の子が我々一行を出迎えた。 自宅らしき建物の奥には、本尊があり、祈祷師が毎日の御祈りを行っているところだった。 別室でいよいよ祈祷を見せてもらうことに。 なにやらまがまがしい衣裳に身を包んだ祈祷師(御年90歳弱)が、入ってきて祈祷を開始した。 途中から地元のTVクルーも入ってきて、なにやら本当に有名な祈祷師らしい。 10分くらい読経を行うと、皆の悩みを聞いて進ぜようと言う。 我々一行から次々に質問を投げかける。 我々① 「私は35歳既婚ですがまだ子供がいません。いつ授かるのでしょうか?」 祈祷師 「今よりももっと深くお祈りを行いなさい。そうすれば授かるでしょう。」 我々② 「私と子供の家族とは御互い海外におり離れ離れです。一緒になれますか?」 祈祷師 「今よりももっと深くお祈りを行いなさい。そうすればなれるでしょう。」 我々③ 「私は再婚出来るでしょうか?」 祈祷師 「今よりももっと深くお祈りを行い、覚悟を決めなさい。そうすれば出来るでしょう。」 ・・・これは・・・祈祷なのだろうか・・・?? 周囲の欧米人たちは、一様に眩しい表情で有難そうに祈祷師の言動に釘付けなのだが、私はあまり信心深く無い性分なので、「胡散臭い・・・」という表情でその場に居た。 ・・・と、その表情を見透かされたのか、私にも何か悩みを打明けろと言ってきた。 「ここのところ万事順調で、悩みなんか無い」と言うと、凄い質問が逆に飛んできた。 祈祷師 「おまえは仏教徒だろう?」 私 「・・・はい。」 すると、祈祷師は、そうだろうそうだろうと言わんばかりに納得した表情を浮かべた。 この風貌を見ればだいたい想像がつくと思うのだが・・・。 胡散臭い・・・ぢゃなかった、奥が深いなチベット仏教は。 訪問後に知ったのだが、この一帯も近代化・物質社会化が急速に進み、寺院と檀家との関係が昔ほど緊密ではなくなっているのだという。 昔は、檀家は末っ子などを寺に入れ、祭事のたびに供物も進呈し、寺院がコミュニティに根付いていたのだが、今は各家庭では出稼ぎに出る人が多く、寺には入らないそうだ。 リアル「ドラクエ」 サブー村から見えた景色がコレ。 まさに、ドラクエの世界である。 しかし、人間の文明社会を全否定しているようなこの景色。 なかなか言葉では形容できない。 写真撮影時は注意が必要 写真撮影時には、注意が必要だ。 オススメ度(100%個人主観) ★★★★★ 所要観光時間 3~4時間 (市内だけなら結構すぐ観れる)
by bharat
| 2007-06-06 10:30
| インドぶらり旅
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2年間のインド生活で、どこまでインド人に近づけるか!?
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