<北東インド> (22) アッサム州---(訪問箇所:2) 面積7.8万k㎡、人口2,700万人。 州都はグワハティ(約7km離れたディスプールと表記されることも)。 農地が豊富で、州人口の3分の1が第1次産業に従事している。同州で産出される茶葉は、アッサムティーとして世界的に愛飲されている。 特に日本人はこの味が濃く色の良く出るアッサムティーを好み(ミルクティーに向いている)、イギリス人がダージリンティーを好むのとは対照的な嗜好だ。 農業以外では、石油を産する地域なのでこれに関連する産業が盛ん。 教育産業も活発で、理工系で世界最高峰とも言われるIIT(Indian Institute of Technology)の一部が州都グワハティにある。 また、自然保護地域があり、絶滅危機種のインドサイの保護区などがある・・・グワハティを訪れたときも、「Rino City(=サイの町)」という看板を良く目にした。 (旅行記)グワハティ、ハジョ (23) ナガランド州---(訪問箇所:2) 面積1.6万k㎡、人口200万人。州都はコヒマ。 非常に特徴的な州で、州の約9割が指定部族民で、16の主要な部族が地域に散らばっている。中には首狩り族だった部族もおり、非常に伝統的な生活スタイルを採っていた。その後、英国支配が強まった際に、近代的な生活様式へのシフトを強要され、今では9割以上の州民がキリスト教徒である。 食生活は、中央インドとは全く異なり、鶏肉・豚肉は勿論牛肉も食べるし、犬や虫も食べる。 私が訪れたときも、ビーフジャーキーが出た。 州民の見た目も、中国系のルックスで、周囲の田園風景と一緒になると、日本の田舎に来たような錯覚に陥る。 歴史的に日本と繋がりがあり、第2次大戦中に日本帝国軍が進駐してきたことがある。私が訪れたときも、「ジェネラル・サトー(第31師団長:佐藤陸軍中将)を知っている」という州民に会った。 ディマプール、コヒマ (24) シッキム州 面積0.7万k㎡、人口54万人。 州都はガントク。 地理的に大きな特徴を持つ州で、西をネパール、北を中国チベット地区、東をブータンに接している。 歴史的にはブータンに酷似した歴史を辿っており、隣国との領土争いを繰り返していた。 1835年に、英国政府がダージリン地域への支配強化を行った際、シッキム地方も管轄下に入った。 その後、1947年のインド独立に際して、ネルーが条件付でシッキムを属国とし(外交・防衛に関しては英国に権利を残した)、1975年に正式にインドの州に組入れた。 主要産業は農業だが、観光業にも注力し始めている。 (25) メガラヤ州 面積2.2万k㎡、人口232万人、州都はシロン。 南をバングラデシュ、北~東部をアッサム州に接する。 指定カースト者が州民の86%を占める。 手付かずの自然が多く残っており、鉱物資源が比較的豊富。 また、気候特性上非常に降雨量が多く、チェッラプンジ(Cherrapunji)は年間降雨量のギネス記録を持っている。1974年の年間降雨量は実に24,555mm---屋久島の歴代最大年間降雨量が6,300mmと聞けばチェッラプンジの降雨量の凄さが分かるだろうか。 (26) アルナーチャル・プラデーシュ州 面積8.4万k㎡、人口109万人、州都はイタナガル。 インドの最北東部に位置し、西をブータン、北~東部を中国チベット地区に接している。 同地域の自治独立、中国と英領インドとの領有問題などを経て、1987年にインド政府が州を設置、現在に至る。 インド中央政府にとって同州は、基幹産業に乏しく収益性のある地域ではないが、中国との国境ということで非常に注目されている。 最近大きく問題視された事件としては、こんなのがある。 同州の役人が中国に入って研修・視察を行う際に、インド政府が中国政府に対してビザの申請を行ったが、中国政府は「アルナーチャル・プラデーシュ州の人間は中国の同胞なので、ビザは不要」としてビザ発給を断った、というもの。 外国人が同州に入る際にも、入域許可が必要で、これがなかなか降りないという。降りても、そこらじゅうが写真禁止区域で、私の知人などは何気なく景色をパチリとやったところ、警官に取押えられ留置場に入れられそうになった。なんでも写真を撮った中に橋梁があり、これが軍事機密漏洩に繋がる、というものだったそうだ。 非常にピリピリした地域だ。 (27) ミゾラム州 面積2万k㎡、人口89万人。 州都はアイザワル。 インド東部に位置し、バングラデシュよりも東に位置している。 前述のナガランド州のナガ族同様、ミゾ族(ミゾラムの主要民族)も前近代的・迷信的な自然信仰を背景に、生贄や首狩りといった風習を持っていた。その後、英国による近代教育によって、州民の殆どはキリスト教を信仰するようになり、英国文化の影響を強く受けた独自の文化を育んだいった。 その恩恵を活かす形で、現在も基幹産業の農業に次いで盛んなのは、英語を活かしたIT産業等であり、州民の識字率は実に88%を超える(インド内ではケララ州に次ぎ第2位)。 (28) マニプール州 面積2.2万k㎡、人口217万人。 州都はインパール。 インド東部に位置し、東をミャンマーに接する。 上述のミゾラム州同様に、英国支配の影響を強く受けた地域で、州内の3分の1がキリスト教徒である。 主要産業は農業。 前述のナガランド州のくだりでも触れたが、第2次世界大戦時、非常に日本と関わりの強かった地域だ。 「インパール作戦」と聞けばピンと来る人もいるだろうか。 大日本帝国最大の愚策と言われた作戦(作戦の詳細内容はコチラで記した)の到達目的地がインパールだった・・・。 (29) トリプラ州 面積1万k㎡、人口319万人。 州都はアガルタラ。 北部~西部~南部をぐるっとバングラデシュに囲まれるような地理的立地。 現バングラデシュが東パキスタンとして英国から独立をした際、大量のヒンドゥー教徒が棲家を追われてこの地域に流入してきた。 その関係で、州内の人口構成も80%以上がヒンドゥー教徒、主要言語はベンガル語となっている。 <そのほか連邦直轄領> (30) アンダマン・ニコバル諸島---(訪問箇所:1) ポート・ブレア (31) ダードラー・ナガルハヴェリ (32) チャンディーガル (33) ダマン・ディーウ (34) ポンディシェリ (35) ラクシャディープ ※ 私は行けなかったが、コチラに詳細記事があります。 レポート2-⑥に続く。 #
by bharat
| 2008-01-06 10:30
| ふと思うこと
<南インド>
(18) アーンドラ・プラデシュ州---(訪問箇所:2) 面積27.5万k㎡、人口7,700万人。 インドの南東部に位置するこの州は、多様な顔を持つ。 産業別人口比率が27%(第1次)、15%(第2次)、58%(第3次)となっており、農業が盛んな一方で、州都のハイデラバード近郊にはシリコンバレーが形成され、急速な経済発展を実現している。 また、内陸には山岳・高原地帯を持ちながら、長い海岸線を活用しての漁業も行われており、漁獲高はインド全州で第2位だ。主要港のバイザック(ヴィシャカパトナム)は、インドの主要港の1つで、貿易港・軍港として栄えている。 民族的には、州の名前の通りアンドラ族という民族が大半を占めており、州民の大半はヒンドゥー教徒だが、州都のハイデラバードはこの限りではなくイスラム教徒の比率がとても高い。 エイズ感染者比率がインドで1番高いという不名誉な数字も持っている。 (旅行記)ハイデラバード、バイザック (19) カルナタカ州---(訪問箇所:7) 面積19万k㎡、人口5,300万人。 アーンドラ・プラデシュ州の西側に位置する。 州都バンガロールのシリコンバレーはあまりにも有名で、第3次産業人口は62%に上る。 同地には海外企業も数多く進出しており、日系ではトヨタ自動車が進出している。 あまり知られていないが歴史的にも興味深い地域で、イギリス支配に叛旗を翻した藩王が活躍したマイソールや、中世の交易都市遺跡ハンピ、巨大な全裸の石像が立つジャイナ教の聖地サラバナベルゴラなど、観光スポットが実に多い。 が、残念ながら内陸に行くほど道路インフラが脆弱で、短期間で効率良く旅するには難しい。 (旅行記)バンガロール、マイソール、ソームナートプル、スリランガパトナム、サラバナベルゴラ、ハンピ、バーダーミ (20) タミルナドゥ州---(訪問箇所:9) 面積13万k㎡、人口6,300万人。 州都はチェンナイで、商業都市・貿易都市として栄えている。 自動車産業が盛んで、HM(ヒンダスタン・モーターズ)、フォード、現代、マヒンドラルノー、アショクレイランド(トラック/バス)が進出しており、しばしば「インドのデトロイト」と呼ばれている。 最近は、ホテル・外食産業の伸びが著しい。 一方で、保守的・排他的な側面もある。 タミル民族は自分の文化・言語に大変な愛着を持っており、インド独立時に公用語をヒンディー語に統一しようと試みた際、タミル語圏からの猛反発で公用語を複数設けることにしたというエピソードがある。また、インド映画の中でもタミル映画は一線を画しており、デリーやムンバイを意識した都市派の映画が増えているトレンドの中、タミルでは未だに昔ながらの映画がタミル語で製作され続けている。我々日本人がもっともよく知るインド映画の1つ「踊るマハラジャ」もタミル映画である。 飲酒・喫煙に対しても保守的な雰囲気が残っており、和食・洋食レストランへのアルコール許可手続が遅々として進まないという話を良く聞く。 (旅行記)コモリン岬(カニヤクマリ)、ラーメシュワラム、マドゥライ、トリチー、タンジャブール、チダムバラム、マハーバリプラム、カーンチープラム、チェンナイ (21) ケーララ州---(訪問箇所:6) 面積3.8万k㎡、人口3,200万人。 インド西側南端の州。 日系進出企業が殆ど無いので、日本人には知名度が低いが、インド随一の「豊かさ」を誇る州である。識字率はインドでは驚異の90%超え。この数字が意味するところは女性にも教育の場が与えられているということだ。州予算の多くを教育費に割いており、知識層が率先して州の教育水準向上を推進している。 乳児死亡率もインドで1番低く、医療レベルの高さが伺える。 沿岸部の漁業、内陸部の農業(米、天然ゴムなど)は勿論のこと、水郷遅滞をハウスボートでのんびり下るバックウォーター観光が流行っており、観光収入は州の財源として大いに役立っている。インド人富裕層や欧州人が数多くこの観光旅行を目指してこの州にやってくる。 (旅行記)コチ(コーチン)、トリスール、グルヴァユール、アレッピー、トリヴァンドラム レポート2-⑤に続く。 #
by bharat
| 2008-01-05 10:30
| ふと思うこと
<中央インド>
(12) マディヤ・プラデーシュ州---(訪問箇所:10) 面積31万k㎡、人口6,000万人。 後述のチャッティスガル州が2000年に分離した。 インドの中心に位置し、鉱物資源に比較的恵まれているので、工業が発達している。インドールには、早くからブリジストンが進出、タイヤ生産工場を持っているし、ボーパールにも化学メーカーが多数進出している。 その一方で、グワリオール、マーンドゥなどの中世の城塞遺跡、官能的な彫刻のあるカジュラホ、仏跡サーンチーなど、歴史的観光スポットも充実している。 (旅行記)カジュラホ、グワリオール、ジャンシー、オルチャ、ボーパール、ライセン、サーンチー、ウッジャイン、インドール、マーンドゥ (13) チャッティスガル州 2000年、マディヤ・プラデーシュ州から分離して成立。 近代化が遅れ、慢性的な水不足に悩まされ、ナクサライト(地域解放戦線)の活動など、州の発展を阻む要因も多いが、発電所が多く配置され、電力事業が州を支えている。 また、アルミの一大産地としても今後の発展が見込まれる。 地理的に山間部族が多く、州の人口の4割以上が指定カースト者である。 (14) ジャールカンド州 面積8万k㎡、人口2,700万人。 2000年に、ビハール州から独立して成立した州。 インド全体の4割の鉱物資源を産出する特性を持ち、南東にあるジャムシェドプールはタタの本拠地である。 産業別比率は、第1次:24%、第2次:35%、第3次:41%。 <東インド> (15) ビハール州---(訪問箇所:4) 面積9.4万k㎡、人口8,300万人。 かつて仏教隆盛の中心となり歴史的にはインドで最も文化的だった州は、今や治安が悪く貧しい州の代名詞になっている。 識字率は50%を切り、指定カースト者の割合は48%と高い。 工業は殆ど根付いておらず、第2次産業比率は僅か3%で、完全に農業に依存している。が、最近はこれが思わぬ追い風になりつつあり、バイオエタノール燃料への活用が出来ないか、中央政府の支援による本格検討が始まっている。 (旅行記)ナーランダー、ラージギル、ブッダガヤー(ボードガヤー)、ガヤー (16) オリッサ州---(訪問箇所:7) 面積15.5万k㎡、人口3,600万人。 鉱業が盛んで、ニッケルやクロムの採掘量がインドでNo.1である。 海岸線が長く漁業も盛んで、内陸部では農業も栄えている。 これだけ列挙すると大成功している州のように聞こえるが、州内GDPなどは決して右肩上がりということにはなっていない。農業も漁業も天候に左右され易く不安定で、旱魃やサイクロンの被害等に悩まされている。 観光場所は多く、ヒンドゥー寺院が数百もあるブバネシュワル、自然信仰の跡を残すプリーやコナーラクなど見所は多い。 (旅行記)ブバネシュワル、ダウリ、コナーラク、ピプリ、プリー、ウダヤギリ・カンダギリ石窟、ラトナギリ、ウダヤギリ、ラリトギリ石窟 (17) 西ベンガル州---(訪問箇所:5) 面積8.8万k㎡、人口8,000万人。 東をバングラデシュと接するということで、イスラム教徒の比率が多い(25%)。 州都はコルカタで人口は1,300万人。インドの東の玄関口となっているが、その発展スピードはムンバイやデリーより遅れを取っているイメージを受ける。 昔から共産党が長期政権を握るこの州は、労働問題が起きるということで外資系企業から敬遠されてきたが、それが産業の近代化を遅らせてきた一因ともなっているようだ。但し、現在は三菱化学はじめ多くの外資企業が進出を始めており、州政府も誘致に積極的だ。 また、南北に長いこの州は、北部の丘陵地域も含んでおり、世界的に有名な紅茶を産するダージリンも西ベンガル州にある。 (旅行記)コルカタ、シリグリ、ダージリン、グーム、カリンポン レポート2-④に続く。 #
by bharat
| 2008-01-04 10:30
| ふと思うこと
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2年間のインド生活で、どこまでインド人に近づけるか!?
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